戦国時代は日本史の中でもとくに人気のある時代であり、多くの英雄たちの活躍が語り継がれています。しかし、史実とされる出来事の中にも、実は様々な「諸説」が存在します。
これらの説には学術的な裏付けが乏しいものもあれば、近年の研究で再注目されているものもあります。
今回は、戦国時代の中でもとくに話題性があり、多くのファンの間で議論されている諸説をランキング形式でご紹介します。
歴史の裏側に興味がある方には、必見の内容です。
織田信長は本能寺で死んでいなかった説
「本能寺の変」で明智光秀に攻められ、自害したとされる織田信長。
しかし、一部では「信長は本能寺で死んでおらず、生き延びた」という説があります。
この説は「影武者説」とも関連し、信長に似た人物が身代わりとなって命を落とし、本人は密かに逃亡したというものです。
この説の根拠と広まり
この説は江戸時代に出版された『信長記』や『太閤記』などの軍記物語に散見され、
「信長は琵琶湖を越えて逃げた」「薩摩で隠遁生活を送った」といった伝承も存在します。
また、当時の火災で焼け跡から見つかった遺体が信長本人であるという確証がないことも、説を後押ししています。
史実との違いと評価
現在の学術的な見解では、信長は本能寺で亡くなったとされていますが、
記録の曖昧さや当時の混乱ぶりを考慮すると、完全に否定することも難しいのが実情です。
ロマンあふれる逸話として、ファンの間では根強い人気があります。
徳川家康は影武者だった説
こちらも戦国ファンの間で有名な仮説です。
関ヶ原の戦い以前に本物の家康は亡くなっており、以後の江戸幕府を築いたのは「影武者」だったという説です。
影武者家康説の背景
この説が注目されたのは、作家・隆慶一郎による小説『影武者徳川家康』の影響が大きいと言われています。
また、家康の肖像画の風貌の変化や、突然政治手腕を発揮し始めたことへの疑問からも、影武者説は語られるようになりました。
信ぴょう性は？
この説はフィクション色が強く、史料的な裏付けはほとんどありません。
しかし、「もし本当に影武者だったら……」という想像が、歴史の楽しみ方の一つとして人気を博しています。
豊臣秀吉の出自は天皇家説
秀吉は「農民の出身から天下人へ登りつめた男」として知られていますが、
実は「天皇家の落胤（らくいん）であった」という説も存在します。
出世の異常さが背景に
この説は、秀吉の出世があまりに急であり、
信長からの信頼の厚さや、朝廷との強いパイプなどが農民出身では説明できないという点から生まれました。
また、秀吉自身も天皇に極めて忠実であり、皇位継承問題にも関与したことでこの説が強まったと考えられます。
真相と通説の違い
歴史学の通説では、秀吉は尾張の百姓・木下弥右衛門の子とされています。
ただし彼の幼少期の記録が少ないこともあり、謎が多い人物でもあります。
いずれにせよ「成り上がりの象徴」である秀吉だからこそ、こうした異説が生まれるのでしょう。
明智光秀＝天海僧正説
「本能寺の変」を起こした明智光秀が、実は徳川家康に仕えた僧「天海」に姿を変えて生き延びたという説もあります。
この説の背景
光秀の最期についても不明瞭な点が多く、
「山崎の戦い」で討たれたとされていますが、確実な証拠は残されていません。
一方、天海僧正は江戸幕府の宗教政策を支えた重要人物でありながら、その出自が謎に包まれています。
共通点が多いとされる理由
年齢や教養、人物像、政治的な考え方などに共通点が多く、
「光秀が天海として再び歴史の表舞台に登場した」というロマン説が誕生しました。
これもまた真偽は不明ですが、歴史ミステリーとして高い人気を誇る話題です。
武田信玄は実は逃げ延びていた説
甲斐の虎として恐れられた武田信玄は、1573年に病死したとされていますが、
実は死を偽装し、生き延びていたという説も存在します。
信玄の死の隠蔽
信玄の死は、彼の死後3年間も公表されなかったことが知られており、
その間も武田軍は戦いを続けていました。
この点から、「信玄は死んでおらず、裏から指揮を執っていたのではないか」という説が生まれました。
この説の評価
近年の研究では、信玄の死は病気によるもので間違いないとされていますが、
その圧倒的なカリスマ性から、死を認めたくないという人々の心理が、こうした伝説を生んだと考えられます。
まとめ：諸説から見る戦国時代の面白さ
戦国時代は、確かな史実だけでなく、多くの諸説や伝承に彩られています。
それらは真実かどうかはさておき、当時の人々の想像力や、英雄への憧れが詰まった文化でもあります。
通説だけでは見えてこない歴史の奥深さを、こうした諸説から感じていただけたなら幸いです。
今後も、新たな史料の発見や研究の進展によって、定説が覆る可能性もゼロではありません。
歴史の「もしも」を楽しみながら、ぜひ戦国時代の世界に浸ってみてください。
コメント