NotebookLMで企画書・提案書・レポートを一気に仕上げる作成術

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プレゼン用のスライド作成はAIでだいぶ楽になってきたけれど、「読みもの系」の企画書・提案書・レポートは、いまだに自力で粘っていませんか。ページ数はそこまで多くなくても、構成を考え、言葉を選び、説得力を持たせるのはなかなかの重労働です。

そんなときに頼りになるのが、GoogleのAIノートツールNotebookLMです。既存の資料やメモ、過去のレポートをノートに放り込んでおくだけで、要点整理や章立て案、リード文のたたき台まで一気に出してくれます。うまく使えば、「文章を書く前の下準備」にかかっていた時間をごっそり減らすことができます。

この記事では、NotebookLMを活用して企画書・提案書・レポートといった“読みもの資料”を効率よく作る具体的な手順を、初心者にも分かりやすく解説します。スライド作成との使い分けや、実務でそのまま使えるプロンプトの考え方、注意したいポイントまでまとめて紹介します。

読み終わるころには、「まずNotebookLMで構成と本文案を作り、最後に自分で仕上げる」という流れがイメージできるはずです。毎回ゼロから企画書を書き始めている方は、ぜひ参考にしてみてください。

NotebookLMで作る「読みもの資料」とは何か

スライドとは違う「腰を据えて読む」文書を意識する

まず前提として、ここでいう読みもの資料とは、プレゼン用のスライドとは違い、「あとからじっくり読んでもらうこと」を前提にした文書のことです。たとえば、社内稟議用の企画書、クライアントに送る提案書、調査結果をまとめたレポート、社内ナレッジとして残す報告書などがこれに当たります。

スライドは視覚的な分かりやすさが重視される一方で、読みもの資料は文章の論理・ストーリー・根拠が求められます。そのため、「何をどの順番で説明し、最終的にどんな結論に導きたいのか」を丁寧に組み立てる必要があり、ここで頭を抱える人が多いのではないでしょうか。

NotebookLMを使うときも、単にスライドの文章をそのまま長文化するのではなく、「読んで理解し、判断してもらうための文書」を意識することが大切です。そのうえで、AIには構成づくりや文章のたたき台作成を手伝ってもらうイメージを持っておきましょう。

NotebookLMが読みもの資料と相性が良い理由

NotebookLMの強みは、ノートに入れた資料をもとに、要約や構成案を出したり、別の形に再構成したりできる点です。つまり、過去の企画書や議事録、調査メモなどをノートに集約しておけば、そこから「新しい読みもの資料」を再編集することが得意なのです。

たとえば、新サービスの企画書を作る場合でも、既存のサービス紹介資料や市場調査メモ、過去のプロジェクトレポートをNotebookLMに読み込ませたうえで、「この内容を踏まえた新企画書の章立て案を作って」と依頼することができます。手持ちの材料をまとめる作業をAIに任せられるので、企画の中身を考えることに時間を割きやすくなります。

また、NotebookLMはノート単位で情報を管理できるため、一つのプロジェクトに関するメモや資料を長期的に育てていけるのも読みもの資料との相性が良いポイントです。使い捨てではなく、「次の企画書やレポートの元ネタ」として活かせる土台を築くことができます。

「素材づくり → 構成 →本文たたき台」の全体像を持つ

NotebookLMで読みもの資料を作るときは、いきなり本文をAIに書かせるのではなく、①素材づくり → ②構成づくり → ③本文のたたき台作成という流れを意識するのがおすすめです。この3ステップを回すことで、AIに任せる部分と自分で考える部分が自然と分かれていきます。

まずはノートに素材を集め、次に「どんな章立てで書くか」をNotebookLMに相談し、そのうえで各章のリード文やポイントをAIに書かせる、という順番です。最初から「全部書いて」とお願いすると、読みにくい文章が大量に出てきて逆に編集に時間がかかることもあるため、ステップを分けるほうが結果的に効率的です。

この全体像さえ頭に入れておけば、「今は素材集めのフェーズだから、とりあえず資料を放り込もう」「今日は構成まで決める日」と区切って進められるようになり、NotebookLMを使った読みもの資料づくりがぐっと現実的になります。

企画書づくりにNotebookLMを活かす方法

過去資料・メモ・リサーチ結果をノートに集約する

企画書は、「何となく良さそう」では通らず、背景・課題・打ち手・効果が筋道立っている必要があります。まずはNotebookLMのノートに、関連しそうな過去の企画書・議事録・メモ・リサーチ結果を集約しましょう。完璧に整理されていなくても、「この企画に関係しそうなもの」はとにかく放り込むイメージで構いません。

たとえば、「前回ボツになった案」「他部署の似た取り組みの報告書」「顧客ヒアリングのメモ」なども、後から企画書の説得力を高める材料になります。NotebookLMは大量のテキストの中から共通するポイントや重要な示唆を抜き出すのが得意なので、「まずは材料を集める」ことを意識してノートを育てていきましょう。

この段階では、ノートの上部に「今回の企画の目的」や「実現したい未来」を数行書いておくのもおすすめです。NotebookLMに構成案をお願いするときに、このメモがあるだけで、より企画のゴールに沿った案が出てきやすくなります。

課題・打ち手・期待効果をAIに整理させる

素材が集まったら、次は課題・打ち手・期待効果をNotebookLMに整理させます。具体的には、「このノートにある情報をもとに、①現状の課題 ②原因 ③考えられる打ち手候補 ④期待される効果 を整理してください」といったプロンプトを投げてみましょう。

すると、過去の資料から共通する問題点や成功パターンを拾い出し、企画書の骨組みになる情報を一覧化してくれます。ここで重要なのは、AIが出してくれた結果をそのまま採用するのではなく、「自分の現場感覚と合っているか」「上司や意思決定者が納得しそうか」を自分の目でチェックすることです。

NotebookLMの出力をベースに、自分なりに優先順位をつけたり、不要な打ち手を削ったりしていくと、自然と企画書のストーリーが見えてきます。この時点で、「課題整理・打ち手の整理・効果の見立て」といった一番重たい作業の大部分をAIに肩代わりしてもらえるはずです。

章立てと各章のポイントを作成してもらう

課題と打ち手の整理ができたら、NotebookLMに企画書の章立て案を作ってもらいましょう。「このノートの内容をもとに、A4で5〜10ページ程度の企画書を想定した章立て案を作ってください。各章について、タイトルと中身のポイントを3つずつ出してください」といったプロンプトが使えます。

ここで出てきた章立て案は、そのまま目次として使うこともできますし、「ここは前に持ってきたい」「この章は削っていい」といった編集を加えることで、より自分の目的にフィットした構成になります。AIが作った案に自分の判断を上書きしていく感覚が大切です。

各章のポイントが固まったら、「では第1章のリード文を300〜400字で書いて」「第2章の打ち手を箇条書きで整理して」と、部分的に本文のたたき台を書かせていきます。すべてを丸投げするのではなく、「章ごとに少しずつ頼む」ことで、読みものとして破綻しにくい企画書に仕上がります。

提案書・営業資料へのNotebookLM応用術

クライアント情報と自社実績を1つのノートで管理する

営業現場で作る提案書は、クライアントの状況と自社の実績を組み合わせることが多いため、情報が散らばりやすいのが難点です。NotebookLMでは、「クライアントA_提案ノート」のようにノートを作り、ヒアリングメモ・メールの要点・過去の提案書・類似案件のレポートなどをまとめて入れておくのがおすすめです。

こうしておけば、「このクライアントの課題感を3つに整理して」「過去の類似案件の成功パターンだけ抜き出して」といった相談がやりやすくなります。提案書の前提条件づくりをAIに手伝ってもらうことで、営業担当者は「どの打ち手を推すか」「どんな言葉で伝えるか」といった本質的な部分に集中できます。

特に複数メンバーで同じクライアントを担当している場合、NotebookLMのノートが“共同の情報プール”になるので、担当者が変わっても提案の質を落としにくくなるメリットもあります。

提案書の骨子・比較表・導入シナリオを生成する

提案書では、「なぜ自社を選ぶべきか」を示すための骨子や比較表、導入シナリオが重要です。NotebookLMに対して、「このノートの情報をもとに、クライアントA向け提案書の骨子を作ってください。①現状と課題 ②提案コンセプト ③導入ステップ ④期待される成果 の4章構成でお願いします」と依頼してみましょう。

さらに、「競合B社・C社と比較した自社の強みを、クライアントの立場で分かりやすい表形式にしてください」とお願いすれば、提案書の中核になる比較表のたたき台も作れます。また、「導入後6か月間のスケジュール案を、マイルストーンつきで作って」といったシナリオ部分も、過去事例を含めて整理してくれます。

もちろん、価格や条件などセンシティブな情報は自分で調整する必要がありますが、「構造」と「言語化」の部分をNotebookLMに任せることで、提案書作成のスピードと説得力を同時に高めることができます。

読みもの提案書からスライド版への変換を頼む

クライアントによっては、先に読みもの型の提案書を送り、そのあとプレゼン用のスライドを作るケースもあると思います。このときも、NotebookLMを使えば変換作業を効率化できます。「この提案書の本文をもとに、20分プレゼン用のスライド構成案を作ってください」と依頼すれば、章立てをスライド目次に変換してくれます。

さらに、「各章から、スライド1〜2枚分のタイトルと箇条書きを抽出してください」とお願いすると、スライド用の文章だけを抜き出すこともできます。読みもの資料とスライド資料を別々に作るのではなく、「まず読みものを作り、その要点をNotebookLMに抽出してもらう」という流れにしておくと、二度手間感が大きく減ります。

このように、提案書とプレゼン資料をNotebookLMを挟んで連携させると、どちらか片方だけが独り歩きすることも少なくなり、メッセージの一貫性も保ちやすくなります。

レポート・社内共有資料を効率化するNotebookLM活用

調査メモ・インタビュー・ログを「1レポート=1ノート」に集約

市場調査やアンケート、ヒアリング結果をまとめるレポートは、「集めるのは頑張ったのに、まとめる段階で力尽きる」パターンになりがちです。ここでもNotebookLMは頼もしい味方になります。「調査レポート_若年層の旅行ニーズ」など、テーマごとにノートを作り、調査メモやインタビューの文字起こし、参考資料の要約などを放り込んでいきましょう。

「1レポート=1ノート」というシンプルなルールにしておけば、後から見返すときも迷いません。NotebookLMはノート内の全情報を前提に回答してくれるので、調査の背景や目的をノート冒頭に書いておくと、レポート構成案も文脈に合ったものが出やすくなります。

ログやメモの段階では多少散らかっていても問題ありません。むしろ、「後からAIに整理してもらう前提」で、とにかく情報を集めることに集中できるようになるのがメリットです。

要約・グラフ用コメント・結論部分をまとめて生成させる

レポートを書くときは、本文だけでなく、冒頭の要約(サマリー)や、グラフの下に書くコメント、最後の結論・提言パートも重要です。NotebookLMには、「このノートを読んだ上で、A4 1枚程度のサマリーを作って」「グラフに添えるひと言コメント案を10個出して」「レポートの結論と提言を3パターン提案して」といった形で、パーツごとに依頼してみましょう。

とくに、グラフ用コメントは「見れば分かることしか書いていない」状態になりがちですが、NotebookLMに「数字の意味を噛み砕いて、読み手の行動につながるコメントにして」と指示すると、ひと味違う説明文が出てくることがあります。ここに自分の見解や社内の事情を加えれば、数字に説得力が宿ります。

また、結論部分についても「経営層向け」「現場メンバー向け」のように対象を指定して複数案を出してもらうことで、読み手に合わせた書き方の比較検討ができるようになります。

レポートからナレッジ記事・マニュアルへの再利用を狙う

せっかく作ったレポートを一度出して終わりにするのはもったいないので、NotebookLMを使ってナレッジ記事やマニュアルへの再利用も狙っていきましょう。「このレポートをもとに、社内ポータル用の記事構成案を作って」「新人向け研修資料のアウトラインに変換して」といった依頼が役立ちます。

レポートは詳細で専門的なことが多い一方で、ナレッジ記事やマニュアルは「ポイントを素早くつかんでもらう」ための読みものです。NotebookLMに対して、「専門用語を減らして」「具体例を交えて」と条件を伝えれば、読み手にとっての分かりやすさを意識した文章案を作ってくれます。

こうしてレポートを“素材”として再編集していくことで、調査や分析の成果が一部の人だけでなく、社内全体に広がっていきます。NotebookLMを軸に、「レポート → ナレッジ → マニュアル」という流れを作っておくと、情報の資産化が一気に進みます。

NotebookLMで読みもの資料を作るときのコツと注意点

AIの文章をそのまま使わず、必ず自分の言葉にする

NotebookLMは読みやすい文章を生成してくれますが、そのままコピペして提出するのはおすすめできません。理由はシンプルで、「自分の現場感覚や会社の事情を反映していない」「読み手の顔を思い浮かべていない」文章になりがちだからです。

AIが出してくれた本文案は、あくまで“参考例”ととらえ、自分の言葉で言い換えたり、具体的な事例や数字を足したりしていきましょう。特に、結論や提言部分は、上司やクライアントの反応を想像しながら、自分なりの腹落ち感を大切に修正していくことが重要です。

AIを「文章をゼロから書いてくれる便利ツール」ではなく、「考えを整理し、言葉を引き出してくれる相棒」として扱うことで、読みもの資料の説得力は大きく変わってきます。

機密情報・個人情報は必ずマスキングしてから使う

読みもの資料は、どうしても顧客情報や金額・契約条件などのセンシティブな情報を扱いがちです。NotebookLMにノートとして読み込ませる前に、それらの情報をマスキングする習慣をつけておきましょう。具体的には、顧客名をイニシャルや業種名に変更する、金額をレンジ表記にするなどです。

また、社内でAIツール利用のガイドラインが定められている場合は、「どのレベルの情報まで扱ってよいか」を事前に確認しておくことも重要です。安全側に倒して運用しておけば、後からトラブルになるリスクを大きく減らせます。

読みもの資料は社外に出ていくことも多いため、「NotebookLMには出してはいけない生情報」と「加工してからならOKな情報」の線引きを、チーム内で共有しておくと安心です。

プロンプトとテンプレを“自分用フォーマット”として育てる

最後に、NotebookLMを読みもの資料づくりで使い倒すコツは、自分なりのプロンプトとテンプレを育てることです。企画書用、提案書用、レポート用など、それぞれでよく使うプロンプトをノートの冒頭や別ノートにストックしておきましょう。

たとえば、「企画書章立てプロンプト」「サマリー生成プロンプト」「提案書比較表プロンプト」といった名前をつけておくだけでも、次に同じような資料を作るときに迷わなくなります。毎回ゼロから考えるのではなく、「前回うまくいった型を再利用しつつ、少しずつ改善していく」感覚で運用してみてください。

こうしてプロンプトとテンプレが貯まってくると、NotebookLMは単なるAIツールではなく、「あなた専用の文章作成フレームワーク」として機能し始めます。これこそが、読みもの資料におけるNotebookLM活用の一番の醍醐味と言えるはずです。

まとめ

企画書・提案書・レポートといった読みもの資料は、スライド作成以上に頭を使う作業ですが、NotebookLMをうまく活用することで、素材整理から構成づくり、本文のたたき台作成までを大きく効率化できます。「素材づくり → 構成 → 本文たたき台」という流れを意識しながら、AIには叩き台を任せ、自分は編集長として判断と調整に集中するのがポイントです。

また、企画書では課題・打ち手・効果の整理、提案書ではクライアント情報と実績の組み合わせ、レポートではサマリーや結論・ナレッジ化など、用途ごとにNotebookLMの得意な役割があります。機密情報のマスキングや、AI文章をそのまま使わないといった基本ルールを守りつつ、自分なりのプロンプトとテンプレを育てていけば、回を重ねるごとに作成スピードもクオリティも上がっていくはずです。

次に企画書や提案書、レポートを書かなければならなくなったときは、いきなり白紙のWordを開くのではなく、まずNotebookLMのノートを1つ作るところから始めてみてください。その小さな一歩が、読みもの資料づくりのストレスを減らし、内容にじっくり向き合う時間を生み出してくれるはずです。

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