会議のたびに議事録やメモがどんどん溜まって、「あとで読み返せないノートの山」になっていませんか。メモは取っているのに、必要なときに探し出せない・整理する時間がないという悩みは、ビジネスパーソンあるあるです。
そんな中で注目されているのが、GoogleのAIノートツールNotebookLMです。ノートに資料や文字起こしを入れておくだけで、要約や箇条書き、アクションアイテムの抽出まで手伝ってくれます。うまく使えば、「メモをきれいにまとめる時間」そのものを大幅に減らすことができます。
とはいえ、「NotebookLMって何から始めればいいの?」「どうやって議事録を自動生成するの?」と感じる方も多いはずです。そこでこの記事では、初心者でも実践しやすいNotebookLMでの議事録・メモ自動整理術を、具体的なプロンプト例とともに解説します。
読み終わるころには、「録音やメモをNotebookLMに入れて、要点とToDoだけ抽出してもらう」という流れがイメージできるようになります。日々の会議や打ち合わせを、あとから活かせる“資産”に変えたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
NotebookLMで議事録・メモ整理が捗る理由
「資料ベース」で会話できるからノート整理に強い
NotebookLMの一番の特徴は、自分が入れた資料を前提にAIと対話できることです。単なるチャットAIと違い、ノートに貼り付けたテキストやPDF、書き起こしデータを読み込んだうえで、「この会議の要点だけまとめて」「次回までの宿題を箇条書きで出して」といった依頼ができます。
つまり、会議ごとにノートを作っておき、そこにメモや議事録の下書きをためておけば、NotebookLMがノート整理と要約を一気に手伝ってくれるイメージです。あとから読み返すときも、「このノートのポイントだけ教えて」と聞けばすぐに要点が分かるので、検索性もぐっと高まります。
要約・箇条書き・アクション抽出がワンクリック感覚
議事録作成で時間がかかるのは、録音やメモから「重要なところだけ抜き出す」作業です。NotebookLMは、長いテキストを要約・箇条書き・アクションアイテム化するのが得意なので、ここを自動化しやすいのが大きなメリットです。
例えば、会議の書き起こしテキストを貼り付けて「決定事項・保留事項・次回までの宿題に分けて整理して」と依頼すると、きれいな一覧にしてくれます。人間がゼロからテキストを読み直すよりも圧倒的に早く、抜け漏れチェックにも役立ちます。
議事録だけでなくスライド作成にもつながる
もうひとつの強みは、整理した議事録・メモをそのままスライド作成に活かせることです。NotebookLMに「この議事録をもとに、次回の報告用スライド構成案を作って」と依頼すれば、会議の内容をもとにしたアウトラインがすぐに出てきます。
つまり、「会議の内容 → 議事録 → 報告用スライド」という一連の流れを、NotebookLMのノートの中で完結させることができます。メモ整理とスライド作成を別々にやるよりも、手戻りが少なく、情報も一元管理しやすくなるのがポイントです。
導入準備とノート構成の考え方
会議ごと・プロジェクトごとにノートを分ける
NotebookLMで議事録・メモを扱うときは、最初のノート設計がとても大切です。おすすめは、「会議ごと」または「プロジェクトごと」にノートを分ける方法です。例えば、定例会議なら「週次営業会議2025」、プロジェクトなら「新サービスA開発PJ」などの名前を付けます。
この単位でノートを作っておくと、メモ・議事録・スライド案・決定事項が一つの場所に集まり、後から探しやすくなります。「なんとなく日付ごとに保存」してしまうと、同じテーマの情報がバラけてしまうので注意が必要です。
ノートの一番上に「会議の目的」と「メンバー」を書く
ノートを作ったら、まず一番上に会議の基本情報を書いておきましょう。例えば、
- 会議の目的(何を決める場か)
- 参加メンバー
- 開催日時・場所
などです。これを毎回テンプレート化しておけば、NotebookLMに頼むときも「この会議は何のためか」が伝わりやすくなります。AIは文脈を重視するので、前提条件が整理されているノートほど、質の高い要約や議事録案を出してくれます。
生のメモと整形後の議事録を分けて書く
NotebookLMのノート内では、「生のメモ」と「整形済みの議事録」を分けておくと便利です。例えば、上半分にNotebookLMへの質問やAI回答、下半分に最終版の議事録をまとめる、といったイメージです。
こうしてエリアを分けておくと、「AIとのやり取りを残しつつ、公開用の議事録だけをコピーして共有する」ことが簡単になります。社外共有用の議事録を作るときにも、余計な情報を混ぜずに済むので安心です。
議事録・メモを自動生成するプロンプト術
基本形:「要約+決定事項+ToDo」の型を作る
NotebookLMで議事録自動生成をするなら、まず「要約+決定事項+ToDo」の型を持っておくと便利です。会議のメモや書き起こしをノートに貼り付けたうえで、次のように依頼します。
「この会議メモをもとに、①会議の概要要約(5行程度)②決定事項③保留事項④次回までのToDoに分けて整理してください。」
この形で慣れておくと、どの会議でも同じフォーマットで議事録が作れるようになり、読み手も理解しやすくなります。最初はテンプレをそのまま使い、慣れてきたら自分の会社用に少しずつカスタマイズしていきましょう。
発言者別・テーマ別に整理させるプロンプト
重要な会議では、「誰が何を言ったか」を残しておきたい場面もあります。その場合は、NotebookLMに発言者別・テーマ別に整理してもらうプロンプトが有効です。
例えば、「この書き起こしから、発言者ごとに重要な発言だけを抜き出してまとめてください」「テーマ『予算』『スケジュール』『リスク』ごとに議論内容を分類して箇条書きにしてください」といった依頼をします。
こうすることで、長い会話ログから「この人の主張」「このテーマに関する議論」を一目で把握できるようになり、後からの振り返りや説明がぐっと楽になります。
次回の会議アジェンダを自動作成するプロンプト
議事録を作って終わりではなく、そこから次回のアジェンダを作るところまでAIに手伝ってもらうと、会議運営が一気にラクになります。NotebookLMには、こう依頼してみましょう。
「この議事録の内容をもとに、次回の会議アジェンダ案を作ってください。①前回の振り返り②今回の検討テーマ③決定したい項目を箇条書きで示してください。」
前回の議論を踏まえたうえで、自然な流れのアジェンダ案を提案してくれます。そのまま会議招集のメールに貼り付けたり、Googleカレンダーの説明欄に転記するだけで準備が完了するので、運営側の負担もかなり減らせます。
実務で使える活用シナリオと注意点
定例会議の「テンプレ議事録」づくりに活用する
毎週・毎月の定例会議では、話題や流れがある程度決まっていることが多いです。そんなときこそ、NotebookLMでテンプレ議事録を作ってしまうのがおすすめです。
最初の数回は、自分で手を入れながらNotebookLMに要約と整理をお願いし、「うちの会議ではこの項目が重要」という型を固めていきます。一度型ができてしまえば、あとは会議メモを貼って、毎回同じプロンプトで自動整理するだけで済むようになります。
オンライン会議の文字起こしとの組み合わせ
ZoomやTeamsなどのオンライン会議ツールには、録音や文字起こし機能が付いているものも多くなりました。これらから出力したテキストをNotebookLMのノートに入れておけば、半自動で議事録化が可能です。
生の文字起こしは誤変換も多く、そのまま読むとストレスですが、「重要な発言だけ抜き出して」「要点を3段落にまとめて」とNotebookLMに依頼すれば、人が一から読み直すより早く整理できます。誤変換の修正は最低限にして、まずは要点だけ押さえる、という割り切りも大切です。
機密情報・個人情報の扱いには十分注意する
一方で、NotebookLMを業務で使うときは、機密情報や個人情報の取り扱いに十分注意する必要があります。顧客名・住所・電話番号など個人を特定できる情報や、まだ公表されていない企画・契約内容などは、そのままノートに入れるとリスクになる場合があります。
どうしても扱いたい場合は、個人名をイニシャルに置き換える・具体的な金額を伏せるなど、マスキングした資料を作ってからNotebookLMに読み込ませるのがおすすめです。また、会社や組織によってはAI利用ガイドラインがあるので、事前にチェックしてから業務利用を始めましょう。
チームでNotebookLMを使い倒すコツ
「議事録担当」と「NotebookLM担当」を分けてみる
チームでNotebookLMを活用するなら、最初は役割を分けて運用してみるとスムーズです。例えば、その日にリアルタイムでメモを取る議事録担当と、会議後にNotebookLMで要約・整理を行うNotebookLM担当を分けるイメージです。
こうすると、議事録担当は「とりあえず抜け漏れなくメモを取る」ことに集中でき、NotebookLM担当は「あとで要約・整理に専念する」ことができます。慣れてきたら、全員がNotebookLMを触れるように、プロンプト例やテンプレを共有していくと良いでしょう。
プロンプトやテンプレをチームで共有する
NotebookLMでうまくいったプロンプトやテンプレは、そのままチームの共通資産になります。社内のWikiや共有フォルダに「議事録用プロンプト集」「定例会議テンプレ議事録」などの形でまとめておくと、新しく参加したメンバーもすぐに真似できます。
また、「このプロンプトだと決定事項が漏れやすい」「このテンプレが一番分かりやすかった」など、使ってみた感想をフィードバックし合うことで、チーム全体の議事録クオリティが少しずつ底上げされていきます。
議事録からスライド作成までをワンセットで回す
最後のコツは、「議事録づくり」と「スライド作成」をセットで考えることです。NotebookLMのノートの中に、議事録の下に次回報告用スライド構成もまとめて作っておくと、報告資料作りが非常に楽になります。
例えば、会議が終わった直後に「この議事録をもとに、上司向け報告用のスライド構成案も作って」とNotebookLMに依頼し、そのアウトラインを次のミーティングまでに整える、という流れです。こうしてルーチン化しておくと、「議事録を作ったのに報告書はゼロから…」という二度手間を防げます。
まとめ:NotebookLMで「使える議事録」と「生きたメモ」を量産しよう
NotebookLMは、単なるメモアプリではなく、議事録やメモを自動で整理・要約してくれるAIノートです。ノート設計を「会議ごと・プロジェクトごと」に分け、生のメモと整形済み議事録を同じ場所にまとめておくだけで、情報の検索性と再利用性が一気に高まります。
要約・決定事項・ToDoを自動で出すプロンプトや、次回アジェンダ作成・スライド構成案まで含めた使い方に慣れてくると、会議後の事務作業にかかる時間を大幅に削減できます。その分、「議論の中身をどう良くするか」「次のアクションをどう進めるか」に集中できるようになるはずです。
まずは次の会議から、メモや文字起こしをNotebookLMのノートに入れ、「要約+決定事項+ToDo」の型で議事録案を作ってもらうところから始めてみてください。そこに自分の目で最終チェックを入れれば、短時間で質の高い“使える議事録”と“生きたメモ”を量産できるようになります。

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