【2025年対応】在職老齢年金の最新ルールと損しない働き方完全ガイド

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在職老齢年金は「働くシニアの収入」を柔軟に支える制度ですが、給与と年金の合計が一定額を超えると年金が減額・停止されるため、ルールを知らずに働くと“手取りが想定より少ない”事態に陥りがちです。

2025年度からは支給停止調整額が51万円へ引き上げられ、60~64歳の基準も統一されました。

さらに65歳以上は毎年年金が増える在職定時改定など優遇策も拡充。この記事では
①制度の最新改正ポイント
②減額計算と「年収いくらまでセーフか」の早見表
③満額受給を守る働き方のコツ
④65歳以上が得する優遇策
を5つのパートで徹底解説します。

読み終える頃には「自分はいくらまで働いても損しないか」「どう賃金設計すれば手取り最大化できるか」がクリアになり、安心してライフプランを描けるはずです。

在職老齢年金とは?最新改正ポイント

制度の概要と対象者

在職老齢年金は老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金適用事業所で働く60歳以上の人が対象です。

国民年金(老齢基礎年金)のみの場合は調整の対象外で、減額されるのは老齢厚生年金部分のみとなります。

給与や賞与などから算出される総報酬月額相当額と、受給している年金額(基本月額)の合計が基準額を超えると調整が入る仕組みです。

2025年改正の3大ポイント

2025年度は①支給停止調整額が50万円→51万円へ、②60〜64歳の基準額が引き上げられ65歳以上と同額に統一、③前年9月時点で被保険者なら翌10月分から年金額を再計算する在職定時改定が定着――という三つが目玉です。

特に①は名目賃金上昇率を反映した毎年改定で、今後2026年度に62万円程度への段階的引き上げ方針も示されています。

基準額引上げの背景と今後の見通し

基準額を上げる目的は「高齢者の就労促進」と「社会保険財政の安定化」です。

65歳以降も働きたい人が年金カットを恐れて就労を控える“50万円の壁”を緩和し、労働力人口を確保する狙いがあります。

基準額は名目賃金に連動して毎年見直されるため、インフレ下でも実質的な負担感を抑えつつ、現役世代とのバランスも維持する方針です。

支給停止基準額と減額計算のしくみ

基礎用語:総報酬月額相当額と基本月額

総報酬月額相当額は毎月の標準報酬月額と直近12か月の賞与の月平均額を足したもの、基本月額は老齢厚生年金の年額を12で割った金額を指します。

この「給与+年金」の合計が51万円を超えなければ年金はカットされません。60~64歳でも同額となったため、以前の28万円47万円の低い壁は2025年度に事実上解消しました。

減額計算式と具体例

合計が51万円を超える場合、超過額の1/2が老齢厚生年金から減額されます。

たとえば基本月額12万円、総報酬月額相当額43万円の人は合計55万円。超過は4万円なので、年金は2万円カットされ月10万円支給となります。

逆に給与を42万円まで下げれば超過ゼロで全額支給を維持できます。

「51万円ライン」を超えた場合の支給調整

超過幅が大きいほど減額も増え、合計が基本月額+総報酬月額相当額>51万円+基本月額になると年金は全額停止されます。

高額賞与も月平均に組み込まれるため、退職金代わりの一時金を受け取る際はタイミング分散が有効です。

年収いくらまでなら減額ゼロ?シミュレーション

モデルケース1:再雇用年収300万円

月給20万円・賞与40万円(年1回)の再雇用社員(総報酬月額相当額22万円)の場合、年金基本月額が12万円なら合計34万円で基準額内。

減額無しで年金+給与=年約444万円の手取りを確保できます。

モデルケース2:フルタイム年収480万円

月給35万円・賞与60万円(年2回)の場合、総報酬月額相当額40万円。年金基本月額14万円との合計54万円で3万円超過、月1万5,000円の年金カット。

年間18万円の減額ですが、ボーナスを分割して月給を下げれば超過を解消できます。

モデルケース3:パート年収150万円+副業

月給7万円のパートに加え、クラウドワークスの副業報酬(月3万円)が厚生年金対象外の場合、総報酬月額相当額は7万円のみ。年金基本月額13万円と合計20万円で減額ゼロ。

非給与型の副収入を活用すれば手取りを大きく増やせます。

満額受給を守る働き方・賃金設計のコツ

時給・勤務日数を調整する

総報酬月額相当額を51万円以内に収める最も簡単な方法は勤務時間・日数の調整です。「月給は49万円+賞与なし」や「月給40万円+賞与20万円(年1回)」など、合計が基準をまたがないよう会社と交渉すると手取り最適化が可能です。

非給与型報酬(賞与・役員報酬)活用

役員報酬は年4回まで改定可、賞与は月平均化されるため分散支給が有効。

たとえば賞与1回100万円(平均8.3万円)にして月給を下げれば総報酬月額を圧縮し、カット額を最小化できます。

厚生年金加入月を減らすタイミング戦略

週20時間未満の短時間勤務や個人事業主との業務委託に切り替えると厚生年金被保険者から外れ、制度の調整対象外となります。

65歳以降は月末時点で被保険者でない月を意図的に作り、年金カットを避ける裏技も検討できます。

65歳以上で得する優遇策と活用法

在職定時改定で年金が毎年増える

65歳以上70歳未満の受給者は、9月1日時点で厚生年金に加入していれば翌10月分から前年の保険料納付実績が年金額に反映されます。

働きながら年金を積み増せるため、減額を受けても長く働くほど総受取額が増える仕組みです。

高年齢雇用継続給付との併用メリット

雇用保険の高年齢雇用継続給付は賃金が60歳時点の75%未満に下がると最大15%が支給され、年金減額の穴埋めに使えます。

総収入の最適バランスを探る際は、給付と年金・給与の三者をトータルで計算しましょう。

退職→再雇用→パートの「分割キャリア」戦略

65歳で一度退職し基本月額を確定→66〜69歳を再雇用で働き保険料納付→70歳から短時間パートへ移行という3段階キャリアを組むと、在職定時改定による年金増額とカット回避のバランスを最適化できます。

まとめ

在職老齢年金は2025年度から支給停止基準額が51万円に統一され、60代前半でも高収入を目指しやすくなりました。

ポイントは①「給与+年金」の合計を51万円以内に保つ、②賞与・副業・勤務日数を調整してカット額を最小化、③65歳以上は在職定時改定で年金を毎年増額させる――の三つ。

自分の年金基本月額と総報酬を把握し、シミュレーションで損益ラインを可視化すれば、働き損を防ぎながら生涯収入を最大化できます。

制度の毎年改正にアンテナを張り、賢く働いて“年金カット知らず”の安心セカンドライフを手に入れましょう。

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