最近、「PD対応GaN充電器」や「GaN搭載のPDアダプタ」といった製品が増えています。
でも実際には「PDとGaNって何が違うの?」「どっちを重視して選べばいいの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、USB PD(Power Delivery)とGaN(窒化ガリウム)の違いを、初心者でも分かりやすいように解説します。
それぞれが「何を意味するのか」「どう使われているのか」「どう組み合わさるのか」を理解すれば、あなたの充電器選びがグッと簡単になります。
PDとGaNはまったく別物!
まず結論から言うと、PDとGaNはまったく役割の違うものです。
名称 | 分類 | 意味 |
---|---|---|
PD(Power Delivery) | 規格 | 「どう充電するか」を決めるルール |
GaN(窒化ガリウム) | 素材・構造 | 「どんな部品で作るか」を決める技術 |
つまり、PDは「充電方法」、GaNは「中身の素材」なんです。
PDは急速充電のための“通信規格”
USB PDは、「機器同士で通信して最適な電圧・電流を決める充電規格」です。
- 最大100W(20V×5A)まで対応
- スマホ・ノートPC・ゲーム機まで充電できる
- USB-C端子を使うのが基本
PDは“ソフト的な技術”であり、「USB-Cケーブル1本で、どんな電力を、どのくらい流すか」を決めているわけです。
GaNは“中身の素材”=ハードウェアの進化
一方GaN(窒化ガリウム)は、充電器の中にある「スイッチング素子」の素材を表しています。
従来のシリコンよりも高効率・低発熱・小型化を実現でき、高出力でも小さく軽くできるのが特徴です。
- 同じ出力でもシリコン製よりサイズが小さい
- 発熱を抑えて安定した給電ができる
- 100W対応でも手のひらサイズが可能
PD×GaNは最強コンビ!
多くの最新充電器には「PD対応GaN充電器」と書かれており、これはPD=急速充電のルール × GaN=高効率な素材が組み合わさっているということです。
つまり、急速・高出力・小型・安全といったすべての条件を満たせる、今もっとも理想的な充電器構成と言えます。
実例で見る:PDとGaNの違い
例1:PDあり/GaNなし
一般的な「PD 30W充電器(シリコン製)」
→ 急速充電はできるが、大きくて発熱しやすい
例2:PDなし/GaNあり
存在しないわけではないが、あまり見かけない構成。
→ GaNによる高効率だけで、急速充電には非対応
例3:PDあり+GaNあり
「PD 65W GaN充電器(USB-C×2)」
→ 軽量・小型・急速・2台同時充電OK。現在の主流
よくある勘違いを整理
Q1. PDとGaNってどっちが速く充電できるの?
速さを決めるのはPD(規格)です。GaNはサイズや効率に影響しますが、速度に直接は関係しません。
Q2. GaNってバッテリーの寿命に影響する?
直接は影響しませんが、発熱を抑えられることでバッテリーに優しい環境を作れるというメリットはあります。
Q3. GaNじゃないとダメ?
ダメではありませんが、高出力なのに小型を求めるならGaN一択です。特に持ち歩き用途では圧倒的に有利です。
PD×GaN充電器の選び方ガイド
1. 出力(W数)で用途を決める
- スマホ:20W〜30W
- タブレット:30W〜45W
- ノートPC:65W〜100W
2. ポート数で使い勝手が変わる
- 1口:超コンパクト・1台専用
- 2口〜:スマホ+PCや家族とシェアにも対応
3. メーカーの信頼性も重要
Anker・CIO・Belkin・ELECOMなどの認証付き製品を選べば安心です。
まとめ:PDとGaNを正しく理解すれば、最適な充電器選びができる!
PDとGaNはまったく違う概念ですが、組み合わさることで「小さくて速くて安全」な充電環境が実現します。
- PDは「ルール」 → 急速充電を成立させる規格
- GaNは「素材」 → 充電器を小型・高効率化する技術
どちらも大切であり、最近のPD充電器選びではGaN搭載モデルを選ぶのがベストです。
この記事を参考に、自分の使い方に合ったPD×GaN充電器を見つけてみてください!
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