会議が終わるたびに、「議事録どうしよう…」と後回しにして、結局ギリギリで徹夜作業、なんて経験はありませんか。メモや録音はあるのに、そこから決定事項やToDoを整理して、読みやすい議事録にまとめるのはかなりの負担です。
加えて、参加者の認識合わせのためには、なるべく早く共有したいというプレッシャーもあります。
そこで頼りになるのが、GoogleのAIノートツールNotebookLMです。会議メモや文字起こし、共有資料をノートに放り込んで、「決定事項だけ抜き出して」「議事録形式に整えて」とプロンプトを投げるだけで、驚くほど整った“叩き台”を作ってくれます。うまく運用すれば、「会議直後に5分でドラフトを作成し、その後は人間が微調整する」というワークフローも現実的になります。
この記事では、初心者でも分かりやすいように、NotebookLMで議事録を自動作成する具体的な手順とノート運用のコツをまとめました。会議前の準備、会議後すぐにやるべきこと、便利なプロンプト例、チームで運用する際のルールまで一気に紹介します。
読み終わるころには、「次の会議からはNotebookLMで議事録を回してみよう」とイメージできるはずです。また、生成した議事録をもとにスライド作成や社内報告資料を作る流れも自然に見えてくるので、情報共有のスピードを上げたい方はぜひ参考にしてください。
NotebookLMで議事録を作るメリット
録音+メモだけの運用との違い
これまで多くの現場では、「録音+メモ」で議事録を作ってきたと思います。録音を聞き直し、メモと照らし合わせながら、「ここはこういう意味だったな」と思い出しつつ文章を起こしていく…。この方法は確実ですが、とにかく時間と集中力を消費するのが難点です。1時間の会議の議事録に、2〜3時間かかってしまうことも珍しくありません。
NotebookLMを使うと、この「聞き直し+構成」の大部分をAIに肩代わりさせることができます。録音を文字起こししたテキストやチャットログをノートに入れ、「要約して」「決定事項とタスクだけ抜き出して」といった形で指示すれば、まずは骨組みとなるドラフトが数十秒で出てきます。人間はそのドラフトを読みながら、不足している点を補ったり、表現を整えたりするだけで済むため、時間負担は大きく減ります。
つまり、NotebookLMを使う議事録作成は、「ゼロから書く」のではなく、「AIが作った叩き台を編集する」仕事に変わります。この違いが積み重なると、会議のたびに感じていたストレスがかなり軽くなっていきます。
NotebookLMが向いている議事録の種類
すべての会議がNotebookLMと相性抜群、というわけではありません。特に向いているのは、議題がある程度整理されている定例会議やプロジェクトミーティングです。アジェンダや事前資料がきちんとある会議では、それらをノートに入れておくだけで、NotebookLMが「どの話題がどの議題に対応しているか」を推測しやすくなります。
一方で、飲み会に近いような雑談ベースの打ち合わせや、アイデア出しだけで終わるブレストなどは、AIにとっても要点を切り出しにくい場面です。その場合も「次にやるべきこと」「決まったこと」に絞って抽出すれば使えますが、期待値は少し下げておいたほうが良いでしょう。
まずは、毎週同じメンバーで集まる定例会議や、顧客との進捗確認ミーティングなど、構造が似ている会議からNotebookLM議事録を試すのがおすすめです。ここで型を作ってしまえば、他の会議にも転用しやすくなります。
人がやる部分とAIに任せる部分
NotebookLMで議事録を「自動」作成するといっても、すべてをAIに丸投げするのはおすすめしません。ポイントは、人がやる部分とAIに任せる部分をきれいに分けることです。たとえば、会議の背景や目的、センシティブな判断のニュアンスなどは、人間の解釈がとても重要な領域です。
一方で、「誰が何をいつまでにやるか」といったタスクの書き出しや、「議題ごとの要約」「決定事項の一覧」などは、NotebookLMが得意とする処理です。録音やメモをノートに入れて、「決定事項」「ToDo」「保留事項」に分類してもらうだけでも、議事録の骨組みはほぼ完成します。その上に、人間が補足説明や背景を書き足すイメージです。
このように役割分担をはっきりさせることで、「AIに任せすぎて不安」「結局全部見直すから楽になっていない」といった悩みを避けやすくなります。NotebookLMはあくまで議事録作成のアシスタントと捉え、自分は編集長の立場で全体を整える、というスタンスがちょうど良いバランスです。
事前準備:会議用ノートと資料のセットアップ
会議ごとにノートを分けるか案件ごとに分けるか
NotebookLMで議事録を運用するうえで、最初に決めたいのがノートの切り方です。大きく分けると、「会議ごとにノートを作る」か「案件・プロジェクトごとにノートを作るか」の2パターンがあります。どちらが正解というわけではなく、チームの状況や会議の頻度に応じて選べばOKです。
会議ごとのノートは、「2025-04-定例会議」「2025-05-顧客Aミーティング」など、日付ベースで管理しやすいのが特徴です。一方、案件ごとのノートは、「プロジェクトX_議事録」「顧客A_打ち合わせメモ」といった形で、長期的な関係性やストーリーを追いやすくなります。どちらか迷う場合は、まず「案件ごと」から始めて、1案件の中で複数会議をまとめるスタイルがおすすめです。
いずれにしても、ノートタイトルに「年月+用途+キーワード」を入れておくと検索性が高まります。「2025Q2_顧客A_定例MTGノート」のような形で揃えておくと、NotebookLM内でノートが増えても迷いにくくなります。
資料・アジェンダ・過去議事録の入れ方
ノートを作ったら、会議前にアジェンダや関連資料、過去議事録をあらかじめ入れておきましょう。これをやっておくだけで、会議後に文字起こしやメモを追加したとき、NotebookLMが「どの話がどの議題に関係しているか」を理解しやすくなります。
たとえば、PDF形式の資料やスライドは、そのままノートにアップロードできます。アジェンダもテキストで書き込み、各議題を「1.〜」「2.〜」と番号付きで並べておくと、後で「議題2についての決定事項をまとめて」といったプロンプトが通りやすくなります。過去の議事録があれば、それも同じノートに入れておくと、前回からの継続議題をNotebookLMが把握しやすくなります。
こうした“事前投入”は少し手間に感じるかもしれませんが、会議後の議事録作成のスピードと質を大きく左右します。特に毎月開催される定例会議では、一度ノートを作ってしまえば、次回以降はそのノートを育てていくだけで済むので、手間はどんどん減っていきます。
会議前にNotebookLMへ書いておきたい情報
資料のアップロードに加えて、会議前には「この会議の目的とゴール」をノートの冒頭に書いておくのがおすすめです。たとえば、「この会議はプロジェクトXの進捗共有と、次期リリース範囲の決定を目的とする。ゴールは、リリース対象の機能一覧と担当者・期限を確定すること。」といった短い文章で構いません。
この一文があるだけで、NotebookLMに「議事録を作って」とお願いしたとき、その目的を意識した要約が出やすくなります。また、会議中に話が脱線した場合でも、「この発言はゴールにどれくらい関係しているか」を後から判断しやすくなります。人間にとってもAIにとっても、会議の目的が明文化されていることは大きな助けになります。
余裕があれば、「今回の議事録には、決定事項・宿題・重要メモの3つを必ず入れる」といったルールも一緒に書いておきましょう。そうすると、会議後にNotebookLMへ「決定事項・宿題・重要メモごとに整理して」とプロンプトを投げるだけで、欲しい形に近いドラフトが自動で出てくるようになります。
会議後すぐにやるNotebookLMへの入力と要約
メモ・録音文字起こし・チャットログの取り込み
会議が終わったら、記憶が新しいうちに会議の生データをNotebookLMのノートに集約します。ここで言う生データとは、手書きメモやPCメモ、オンライン会議ツールのチャットログ、録音から起こしたテキストなどです。形式はバラバラでも構いませんが、できるだけテキスト化してノートに貼り付けておきましょう。
録音データは、別の音声認識ツールで文字起こししてからNotebookLMに入れる運用が現実的です。オンライン会議なら、チャット欄の内容をコピーして「チャットログ」としてノートに追加しておくと、NotebookLMが発言者や論点の流れを追いやすくなります。メモは、箇条書きのまま貼り付けても問題ありません。
ポイントは、「完全に整理された状態でなくても、とにかくノートに集める」ことです。その後の要約や整理はNotebookLMの仕事なので、会議直後はスピード優先で生データを集約し、「このノートに全部入っている状態」を先に作ってしまいましょう。
決定事項・ToDo・論点を抜き出すプロンプト例
生データがノートに集まったら、いよいよNotebookLMの出番です。ここで有効なのが、「決定事項」「ToDo」「論点」に分けて抽出してもらうプロンプトです。たとえば、次のように依頼してみましょう。
「このノートのメモと文字起こしを読み、以下の3つに分けて整理してください。1.決定事項(誰が何をどうするかを明記) 2.ToDo(担当者と期限があれば記載) 3.今後の論点・保留事項。それぞれ箇条書きで出してください。」
このようにカテゴリーを指定しておくと、NotebookLMは情報を分類する形で要約してくれます。さらに、「経営層に共有することを想定して、重要度の高い順に並べてください。」と条件を加えれば、読む人にとっての優先順位も意識したアウトプットになります。少しずつプロンプトを調整しながら、自分のチームにとって使いやすい形を見つけていきましょう。
長い会議の場合の要約レベルの指定方法
2時間以上に及ぶ長時間会議の場合、すべてを細かく議事録に落とそうとすると、どれだけNotebookLMがあっても大変です。この場合は、最初のプロンプトで要約のレベルを指定しておくことが重要です。「全体の流れをつかむサマリー」「各議題の要点」「詳細な発言記録」など、どのレベルを狙うかで出力は大きく変わります。
たとえば、「この会議の内容を、A4一枚程度で経営層向けに要約してください。各議題ごとに、結論・背景・次のアクションを1〜3行でまとめてください。」といったプロンプトであれば、最初から“ダイジェスト版”だけを狙うことができます。その後、必要に応じて「議題2については、より詳しい議事録を作って」と範囲を絞って指示すれば、メリハリのあるドキュメントになります。
長い会議ほど、「全部を同じレベルで書き起こす」必要はありません。NotebookLMの要約レベル指定を活用し、「全体像→重要部分の詳細」という2段階方式で議事録を作ると、作業時間と読み手の負担の両方を減らすことができます。
議事録フォーマットに整えるプロンプト活用
社内テンプレートに合わせたフォーマット生成
多くの会社には、「議事録テンプレート」が存在します。日付、会議名、出席者、議題、決定事項、ToDoなど、ある程度項目が決まっているはずです。NotebookLMを議事録に使うなら、まずこのテンプレートをノートに貼り付けておき、フォーマットを覚えさせるところから始めるのがおすすめです。
テンプレートを貼り付けたら、「以下のフォーマットに従って、今回の会議の議事録ドラフトを作成してください。」とプロンプトを投げます。NotebookLMは、先ほど抽出した決定事項やToDo、要約などを、このフォーマットに当てはめる形で文章を生成してくれます。もちろん、そのまま完璧な状態になるわけではありませんが、枠組みができているだけでも、修正にかかる時間は大幅に少なくなります。
何度か使ううちに、「冒頭の挨拶は不要」「決定事項の書き方は箇条書きで」など、自社流のクセも見えてきます。それらを反映した改良版テンプレートをノートに保存しておけば、次回以降はさらに精度の高い議事録ドラフトを自動作成できるようになります。
参加者別アクションリストを作る
議事録を読んだとき、実は一番知りたいのは「自分は何をすればいいのか」です。NotebookLMを使うなら、議事録本文に加えて参加者別のアクションリストも自動生成してしまいましょう。これは、特にタスクが多い会議ほど効果を発揮します。
具体的なプロンプト例としては、「この会議で出たToDoを、担当者別に整理してください。各担当者について、やるべきこと・期限・関連する議題をセットで出してください。」のような形です。NotebookLMは、議事録用のデータから担当者名を拾い、誰が何をいつまでに行うかを一覧にしてくれます。
このアクションリストを議事録の最後に付けることで、参加者は自分の名前の部分だけ確認すれば、会議後の動きが一目で分かります。さらに、次回の会議前にはこのリストだけをNotebookLMに読み込ませ、「前回のタスクのうち、未完了と思われるものをリストアップして」といったチェックにも活用できます。
メール配布やスライド共有向けへの書き換え
NotebookLMで作った議事録は、そのまま保管しておくだけでなく、メールやスライド用に再編集することで、情報共有の幅が広がります。たとえば、経営層には短いメール要約、プロジェクトメンバーには詳細な議事録、別チームにはダイジェスト版スライド、といった使い分けです。
NotebookLMに対しては、「この議事録を、社内共有メール本文として400字程度にまとめてください。」や「この内容をもとに、5枚のスライド作成用アウトラインを出してください。」といったプロンプトが有効です。同じ情報を、読み手に合わせて何パターンにも変換できるのは、NotebookLMならではの強みです。
こうした再編集作業をテンプレ化しておくと、「会議後は1)議事録ドラフト作成 → 2)メール要約 → 3)スライドアウトライン」という一連の流れを、ほぼ自動で回せるようになります。最初は少し手間に感じても、パターンが決まれば、会議後の情報共有スピードは格段に上がります。
チームでNotebookLM議事録を回す運用ルール
情報の線引きとマスキングルール
チームでNotebookLMを使って議事録を回す場合、避けて通れないのが情報の線引きです。誰がどこまでの情報をNotebookLMに入れてよいかが曖昧だと、「これは外に出して良かったのか?」という不安がつきまといます。そこでまず、「入れてよい資料」と「マスキング必須の資料」「絶対に入れない資料」の3つに分類しておきましょう。
たとえば、「社内で全員に配布済みの会議資料」はOK、「個人名や具体的な金額が含まれる資料」はマスキング必須、「契約書や人事評価に関する資料」は投入禁止、というような基準です。この基準をチーム内で共有し、ノートの冒頭にも「このノートでは◯◯レベルの情報まで扱う」と明記しておくと、安全に運用しやすくなります。
マスキングの方法も簡単で構いません。「A社」「Bさん」「数百万円」など、意味が通じる程度に抽象化できていれば、NotebookLMにとっては十分です。重要なのは、「何となく大丈夫そう」に頼らず、ルールとして線を引いておくことです。
振り返りやナレッジ蓄積としての使い方
NotebookLM議事録のもう一つの強みは、「会議の記録がそのままナレッジベースになる」ことです。同じノートの中に、過去の議事録と決定事項、アクションリストがたまっていくと、「この案件で繰り返し出ている課題は何か」「どのような打ち手が採用されやすいか」といった傾向も見えやすくなります。
NotebookLMに対して「このノート内の過去3回分の議事録から、共通している課題と改善策のパターンをまとめてください。」と依頼すると、プロジェクトの振り返り資料の土台にもなります。さらに、「このプロジェクトで得られた学びを、新人向けナレッジ記事の構成案として出してください。」とプロンプトを投げれば、教育用コンテンツにも変換できます。
つまり、NotebookLMは単なる議事録作成ツールではなく、「会議から得た知見を、次の仕事やメンバー育成に活かすための橋渡し役」としても活用できるのです。チームとしての経験値を蓄積していく意識でノートを育てていくと、長期的な効果が大きくなります。
失敗しないための小さく始めるコツ
最後に、NotebookLMで議事録運用を始めるときのコツは、いきなり全会議に導入しないことです。最初は、メンバー同士の信頼関係があり、フォーマットも柔軟に変えられるチーム内の定例会議から試すのがおすすめです。そこでうまくいったプロンプトやノート構成を、少しずつ他の会議に横展開していきます。
導入初期は、「AIが出した議事録をそのまま使う」のではなく、「必ず担当者が確認してから配布する」というルールもセットにしておきましょう。これだけで、万が一の誤解や表現ミスも防ぎやすくなりますし、メンバーも安心してNotebookLMに触れられます。
また、「うちはこのレベルまでNotebookLMに任せる」「ここから先は人間が必ず見る」といった線引きを決めておくと、ツールへの期待値と現実のバランスも取りやすくなります。小さく始めて、うまくいった部分だけを広げていく。このスタンスが、チームにとってストレスの少ないAI導入の近道です。
まとめ
NotebookLMを使った議事録の自動作成は、「ゼロから書く苦行」を「AIが作った叩き台を編集する作業」に変えてくれます。会議前にノートを用意し、アジェンダや資料、過去議事録を入れておく。会議後はメモや文字起こしを集約し、「決定事項」「ToDo」「論点」に分けて抽出するプロンプトを投げる。さらに、社内テンプレートに合わせて議事録形式に整え、参加者別アクションリストやメール要約、スライド作成用アウトラインにまで展開していく――この一連の流れが、NotebookLMによって現実的なワークフローになります。
もちろん、機密情報の取り扱いやマスキングルール、導入範囲の線引きなど、人間側で決めるべきポイントも少なくありません。
しかし、そこさえ押さえておけば、NotebookLMは会議ごとにたまっていく情報を、議事録・ナレッジ・教育資料へとつなげてくれる強力なパートナーになります。次の会議から、まずは1つのノートを用意し、小さな会議でプロンプトを試してみてください。その最初の一歩が、「議事録に追われる」日々から「議事録を味方につける」働き方への転換点になるはずです。

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