新築の住宅ローン控除 初年度の『1年』と確定申告徹底解説

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新築でマイホームを購入し住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を使いたい。

でも「最初の年の1年って、購入日から12か月?それとも12月31日までの暦年?」と不安になりますよね。

この記事では、初年度に迷いやすい「期間の考え方」を、暦年課税(その年の1/1〜12/31)という税金の大原則にそってやさしく整理します。

さらに、初年度は確定申告が必要な理由、必要書類、ケース別の「1年」の数え方、要件チェック、よくある勘違いまで一気に解決。

読み終えるころには、あなたの状況で「いつの分を、どう申告するのか」がハッキリわかります。忙しい共働き世帯・子育て世帯でも、スマホでサクッと読み切れる構成にしました。

住宅ローン控除「1年」の基本:暦年で考える

所得税は暦年課税:1月1日〜12月31日が1年

日本の所得税は暦年課税です。つまり「1年」は、1月1日から12月31日までで区切られます。年の途中で家を買っても、税金の世界ではその年末までがその年分。

翌年はまた翌年の1/1〜12/31が対象になります。この基本を起点に考えると、「購入日から起算して12か月=1年」という数え方は税務では採用されていない、と理解できます。

初年度は入居(居住の用に供した日)〜12/31が対象

住宅ローン控除は、実際に住み始めた年(居住の用に供した年)から適用されます。初年度は、入居した月から12月までの月数で按分して計算されるのが原則です(月数/12のイメージ)。

したがって、4月入居なら4〜12月(9か月分)、12月入居なら12月(1か月分)が初年度の対象。控除の計算は年末(12/31)時点のローン残高等を基に行います。

「購入した日」ではなく入居した年がスタート

購入・引渡しの直後に入居できないこともありますが、控除の起点はあくまで入居した年です。購入が年内でも、入居が年明けなら初年度は翌年になります。

入居から6か月以内・その年の12/31まで継続居住といった要件も押さえておきましょう。

初年度に確定申告が必要な理由と流れ

なぜ初年度は年末調整NGで、確定申告が必要?

会社員の方でも、住宅ローン控除の初年度だけは自分で確定申告が必要です。2年目以降は会社の年末調整で手続きできますが、初年度は税務署へ明細書や登記事項証明書などを添付して控除の適用開始を申告する仕組みになっているためです。

申告時期・期限:うっかりさんは還付申告5年OK

通常の確定申告期間は毎年2月中旬〜3月中旬。ただし、還付申告(税金が戻る申告)であれば、翌年1月1日から5年間提出できます。「今年はバタバタで間に合わない…」という場合も、落ち着いて準備すれば間に合います。

初年度に必要な主な書類チェックリスト

初年度の確定申告でよく使う書類は次のとおりです。

  •  (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(税務署サイトから様式入手)
  •  年末残高等証明書(金融機関)・登記事項証明書売買/請負契約書の写し
  •  (該当する場合)土地の登記事項証明書、補助金通知書、連帯債務の付表など

電子申告(e-Tax)なら案内に沿って入力するだけで必要書類の様式も自動生成されます。

ややこしいケース別:『1年』の数え方とミニ計算

ケース1:4月に入居した場合(年内入居)

例:4月20日に入居。初年度は4〜12月=9か月分が対象です。控除は年末残高×控除率(例0.7%)×(9/12)のイメージ。2年目以降はフルの12か月分が基本となります(制度上の上限や期間は住宅区分で異なる)。「購入が3月・入居が4月」でも、起点は入居年=その年分でOKです。

ケース2:12月中に入居(年末ギリギリ)

例:12月28日に入居。初年度は12月=1か月分のみが対象です。控除の計算自体は12/31時点の年末残高を基に行うため、借入から返済がまだ進んでいなければ残高は大きく、按分によって1年目の控除額は小さくなる、という関係になります。「年内に1日でも居住」していれば、その年から控除スタートできます。

ケース3:購入は年内・入居は翌年(年またぎ)

例:12月に引渡し、実際の入居は翌年1月。初年度は翌年になり、その翌年分の確定申告が必要です。年内はまだ居住していないため、その年分では控除を受けられません。「入居(居住の用に供した日)」が起点である点を押さえましょう。

適用要件の要点:面積・入居期限・所得など

入居期限:6か月以内入居+12/31まで継続居住

控除を受けるには、取得(新築・購入・増改築)から6か月以内に入居し、かつその年の12月31日まで居住している必要があります。転勤など特別な事情があるときは個別の確認を。

面積・所得要件:50㎡以上が基本(40〜50㎡は所得1,000万円以下の特例)

床面積は原則50㎡以上かつ半分以上が自己居住用。床面積40〜50㎡の特例枠は、合計所得1,000万円以下など別条件が付きます(期日・住宅区分により取扱いが異なるため公式情報で最終確認を)。

控除の基本:年末残高ベース、控除率0.7%、期間最長13年(区分により10年)

控除額は原則として年末残高×控除率で計算(上限あり)。制度改正により、控除率0.7%新築等は原則13年(既存住宅は10年)が基本ラインです。住宅の省エネ区分などに応じて借入限度額や期間上限が変わる点に注意しましょう。

よくある勘違いと対策:失敗しないコツ

勘違い1:購入日から12か月=1年と考えてしまう

税務上の「1年」は暦年です。初年度は「入居した年の、入居月〜12月まで」が対象。購入からの12か月で数えてしまうと、申告年や按分月数を誤りがち。迷ったら「その年の12/31」という基準点に立ち返るのがコツです。

勘違い2:入居前でも年末残高があれば控除できる

控除の適用は居住開始が前提。購入・借入だけ先行しても、入居していない年は適用できません。入居年=初年度と覚えておけばOK。

対策:e-Taxで月数按分もれを防ぐ・書類を先にそろえる

初年度は提出書類が多くなりがち。e-Taxなら案内に沿って入力するだけで年末残高や月数按分もれを防ぎやすく、必要様式も自動作成されます。年末残高証明書・登記事項証明書・契約書類を先にそろえて、一気に入力・送信するのがスムーズです。

まとめ

住宅ローン控除の初年度の「1年」は、暦年(1/1〜12/31)が基準です。起点は購入日ではなく入居日。その年の入居月〜12月までが対象で、年末残高×控除率×(居住月数/12)のイメージで計算します。

初年度のみ確定申告が必要、2年目以降は年末調整へ移行できます。6か月以内の入居12/31まで継続居住面積・所得要件なども忘れずチェック。

この記事のポイントを押さえれば、「自分はどの年を申告するのか」「月数は何か月か」「どの書類が必要か」がスッキリ整理できるはず。最後は公式情報を確認しつつ、e-Taxでミスなく進めましょう。

※本記事は一般的な解説です。最終判断は国税庁の最新情報・所轄税務署へご確認ください。

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