「12月に病院へ行ったけれど、支払いは1月や2月になってしまった。この場合、どっちの年の医療費控除になるんだろう?」
「年末にクレジットカードで支払ったけれど、引き落としは翌年。これは今年分?それとも来年分?」
こんなモヤモヤを抱えたまま、年末年始を迎えていませんか。
実は、医療費控除は「受診日」ではなく「支払日(決済した日)」で判断するというルールがあります。ここを勘違いしてしまうと、「去年の控除に入れたつもりが本当は翌年分だった」など、あとから修正が必要になることもあります。
特に、12月受診→翌年支払いや、クレジットカード払いの扱いは、多くの人が迷うポイントです。
この記事では、12月に医療行為を受けたのに支払いが翌年になったケースや、年内にクレジットカード決済したけれど引き落としが年明けになるケースを中心に、「どの年分の医療費控除に入れればいいか」をわかりやすく解説します。
最後まで読んでいただければ、「自分のケースはこの年の医療費控除に入れればOK」と、自信を持って判断できるようになります。
医療費控除は「受診日」ではなく「支払日」で決まる
医療費控除の基本ルール:支払った年で判断する
まず一番大事な結論からお伝えします。医療費控除は「その年中に実際に支払った医療費」が対象です。つまり、「いつ病院に行ったか(受診日)」ではなく、「いつお金を支払ったか(支払日)」が基準になります。
たとえば、12月に診察を受けても、会計を1月にした場合、その医療費は「1月に支払った年分」の医療費控除に含めることになります。
ここでいう「支払った」とは、現金ならレジで支払った日、クレジットカードならカードを切った日(利用日)というイメージです。家計簿や通帳の動きよりも、「医療費としての支払いが確定したタイミング」が大切だと覚えておきましょう。
この基本ルールさえ押さえておけば、大半のケースはスッキリ整理できます。
領収書の「日付」が重要になる理由
医療費控除では、原則として領収書や明細書をもとに集計していきます。ここでチェックすべきなのは、「受診日」ではなく、領収書に記載されている発行日や決済日です。
税務署に説明するときも、「この日にこの金額を支払いました」と示すためには、この日付が証拠になります。
逆に言うと、受診日が12月でも、領収書の日付が翌年1月なら、その医療費は翌年分として扱うことになります。
スマホ決済やオンライン決済が増えてきた今は、紙の領収書だけでなく、Web明細や決済履歴のスクリーンショットなども、日付を確認する上で大切な証拠になります。
12月受診・1月支払いは「翌年分の医療費控除」になる
よくある具体例で考えてみましょう。
たとえば、12月20日に病院で検査を受け、会計は「混んでいるので、後日まとめて請求します」と言われ、実際の支払いが翌年1月10日になったとします。
この場合、多くの人は「12月の医療費だから、その年の医療費控除だろう」と考えがちですが、正しくは1月10日に支払った年分の医療費控除になります。
つまり、年末の受診=その年の医療費控除ではありません。
「いつ財布から(またはクレジットカードで)支払ったか」が軸になると意識しておくと、年またぎのケースでも迷いにくくなります。
12月に受診したが支払いが翌年になったケースの扱い
翌年1〜2月に支払うなら翌年分の医療費控除に入れる
では、「12月に診察・検査・処置を受け、請求書が届いたのは翌年」という、よくあるケースを整理してみましょう。
結論として、実際に支払った日が翌年であれば、その翌年分の医療費控除に含めることになります。
たとえ受診日が年末ギリギリでも、会計が翌年1月や2月であれば、「支払いをした年の控除」として扱います。
「今年の医療費控除を増やしたいから、12月にたくさん病院に行けばいい」という発想は、支払日が翌年になる場合には通用しない、という点は要注意です。
あくまで、「いついくら支払ったか」で集計することを忘れないようにしましょう。
支払いが遅れた場合でも、実際の支払日で判断する
診療費の支払いが、病院側の都合や自分の事情で遅れることもあります。たとえば、12月に手術を受け、明細がまとまるのが遅れて、2月にやっと請求が来たというようなケースです。
この場合も、医療費控除の判断基準は変わらず、2月に支払った年の医療費として扱います。
「本当は12月に払うつもりだったのに…」という気持ちはあっても、税金のルールとしては、お金が動いたタイミングを基準にするイメージです。
支払いが遅れたからといって、「本来払うべきだった年の医療費控除に入れてしまう」と、後々説明が難しくなるので避けましょう。
年内に医療費控除を増やしたいときの注意点
「今年は医療費が多かったから、もう少し支払いを年内に済ませて、医療費控除をしっかり受けたい」ということもありますよね。
その場合は、受診を年内にするだけでなく、「支払い」も年内に完了させる必要があります。
病院によっては、入院費や検査費を「退院後まとめて請求」するところもあるため、年末近くの入院や検査では、請求タイミングを事前に確認しておくと安心です。
病院に相談すれば、概算で年内に一部前払いができるケースもありますが、これはあくまで医療機関のルール次第です。
どうしても年内に支払いたい場合は、無理のない範囲で相談してみるとよいでしょう。ただし、「税金のために無理に支払う」のではなく、家計全体のバランスも一緒に考えることが大切です。
クレジットカードで医療費を支払った場合の判断
クレカは「カード利用日=支払日」と考える
次に、多くの人が迷うクレジットカード払いの医療費控除についてです。
ポイントは、カード会社から銀行口座に引き落とされる日ではなく、カードを利用した日が「支払った日」とみなされるという点です。
つまり、病院のレジでカードを切ったタイミングで「医療費を支払った」と考えることになります。
このため、12月30日にクレジットカードで2万円の診察代を支払った場合、引き落としが翌年1月や2月であっても、「12月に支払った年分」の医療費控除に含めてOKです。
家計簿上は翌年にお金が出ていくように見えても、税金上は「カード利用日」が基準になると覚えておきましょう。
年末に決済すれば、引き落としが翌年でも今年分の控除に
たとえば、次のようなケースを考えてみます。
・12月28日 病院でクレジットカード決済(3万円)
・翌年2月 カード会社から口座引き落とし
家計感覚としては「2月に3万円が出ていった」と感じますが、医療費控除では12月28日に3万円を支払ったと扱います。
つまり、年末にクレジットカードで医療費を決済しておけば、引き落としが翌年でも、その年分の医療費控除に含められるということです。
年内の医療費控除額を把握した上で、「あと少しで10万円を超えそうだから、年内に精算しておこう」といった調整をすることもできます。
このときは、念のためクレジットカードの利用明細も一緒に保管しておくと安心です。
クレカ払いと現金払いで異なるポイント
現金払いとクレジットカード払いの一番の違いは、「お金が口座から出ていくタイミング」と「税金上の支払日」がずれるかどうかです。
現金払いやデビットカード払いは、実際にその場でお金が動くので、感覚的にも支払日と一致します。
一方で、クレジットカード払いは、実際の引き落としは翌月以降ですが、「支払ったとみなす日」はカード利用日になります。
整理すると、受診日と支払日・カード利用日は別物と考えるのがポイントです。
「診察を受けた日=受診日」、「会計した日・カードを切った日=支払日」、「口座から引き落とされた日=資金が動いた日」と整理しておくと、医療費控除で迷いにくくなります。
領収書が年をまたいだときの迷いやすい特例パターン
まとめ請求や入院費など、複数日分を一括で払う場合
入院や継続的な通院では、複数回分の診療をまとめて請求されることがあります。
たとえば、12月25日から1月5日まで入院し、退院時の1月5日にまとめて請求・支払いを行った場合、入院期間に12月が含まれていても、支払日は1月5日なので、翌年分の医療費控除として扱います。
このように、複数日にまたがる医療行為でも、「実際に支払った日がいつか」で年分を判断します。
領収書や請求書には、入院期間や通院期間が記載されていることが多いですが、年分判定で重要なのは支払日・発行日です。
「12月分も含まれているから今年分」と自己判断しないよう、注意しましょう。
家族分をまとめて支払った場合の注意点
家族で病院にかかると、夫が妻と子どもの分をまとめて支払う、妻が家族全員分を一括で支払うということも多いですよね。
医療費控除では、実際に支払った人の家計に医療費を集約して構いません。
たとえば、夫が自分・妻・子どもの医療費をまとめて支払っていれば、その合計を夫の医療費控除に含めることができます。
クレジットカードの場合も同様で、夫名義のカードで家族分をまとめて支払った場合は、夫の医療費控除として申告するイメージです。
ただし、家族カードを使っている場合などは、誰が実質的に負担しているかが分かるように、明細や領収書を整理しておきましょう。
ポイント払い・電子マネー払いの扱い
最近は、ポイントや電子マネーで医療費を支払えるケースも増えています。
基本的な考え方としては、「自分が実際に負担した金額」が医療費控除の対象になると考えておきましょう。
たとえば、1万円の診察代のうち、5000円をポイント、5000円を現金で払った場合、医療費控除の対象になるのは自分が負担した5000円部分というイメージです。
電子マネーについても、チャージしたタイミングではなく、医療機関に支払ったタイミングで年分を判断します。
ポイントや電子マネーを使った支払いは、領収書や決済履歴の内容が少し複雑になりがちなので、後で見返しても分かるように、メモを残しておくと安心です。
年末に医療費控除を最大化したいときのポイント
年内に支払いを済ませることで控除額が変わるケース
「年間の医療費が10万円前後になりそうだから、どうせなら医療費控除をしっかり活用したい」と考える方も多いと思います。
医療費控除の計算では、その年中に支払った医療費の合計から、一定の金額(10万円または所得の5%)を差し引いた金額が控除対象となります。
そのため、年末に支払うか、年明けに支払うかで、どの年に控除できるかが変わってきます。
もし「今年の医療費がすでに多く、控除を受けられそう」という状況であれば、支払いを年内に済ませることで、その年の控除額を増やせる可能性があります。
一方で、今年はあまり医療費がかかっておらず、来年に大きな出費が見込まれるなら、無理に年内支払いにこだわらず、翌年分として考えた方がトータルで有利な場合もあります。
年末調整では医療費控除はできないことに注意
もう一つ押さえておきたいのが、医療費控除は年末調整では扱えないという点です。
会社員の方は、「年末調整で全部片付く」と思いがちですが、医療費控除を受けるためには、自分で確定申告をする必要があります。
控除の対象となる年分の医療費が確定したら、その年の確定申告期間(通常は翌年2〜3月)に申告を行います。
「年末調整が済んだから、今年の税金は終わり」と思ってしまうと、医療費控除を受けられるのに申告し忘れる…というもったいない状況になりがちです。
特に、12月受診・翌年支払い・クレジットカード決済など、年またぎの支払いが多い方は、「どの年分で確定申告するか」を意識して整理しておきましょう。
医療費控除の書類整理は年内から始めておく
最後に実務的なポイントです。
医療費控除をスムーズに行うには、領収書や明細書を年内から整理しておくことがとても大切です。
病院・薬局ごとにファイルや封筒を分けて保管しておくと、後でエクセルや紙の「医療費集計表」に転記するときも楽になります。
また、最近はマイナポータル連携で、医療費情報を自動取得できる仕組みも整ってきています。
とはいえ、年またぎの支払いなど、自分で判断が必要なケースも残っていますので、この記事で紹介した「支払日ベース」の考え方を頭の片隅に置きながら、落ち着いて整理していきましょう。
まとめ:迷ったら「支払日ベース」で整理しよう
医療費控除はややこしいイメージがありますが、「受診日ではなく支払日で判断する」という軸さえブレなければ、年またぎのケースもスッキリ整理できます。
12月に受診しても、支払いが翌年1月や2月なら翌年分の医療費控除。
クレジットカードで支払った場合は、カード利用日が支払日となり、引き落としが翌年でも、その年の医療費控除に含めることができます。
特に、「年末に受診したから今年の控除だろう」という感覚で判断してしまうと、後から修正が必要になったり、損をしてしまう可能性もあります。
迷ったときは、領収書や明細書を見ながら、「いついくら支払ったのか?」を一つずつ確認し、支払日ベースでその年分に分類してみてください。
それでも不安が残る場合は、早めに税務署や税理士に相談しつつ、安心して医療費控除を活用していきましょう。

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