ナ・リーグ中地区は例年混戦ですが、2025年のシカゴ・カブスは序盤から「投手陣総崩れ→次々昇格→また故障」という負のスパイラルで首位争いを続けています。
本記事では5月17日現在の故障者リストを最新情報で整理し、AAAアイオワ・カブスを中心とした昇格レースの行方を読み解きます。
データ分析と現地レポートを組み合わせ、6月中旬までにローテーションを埋める鍵は誰なのかを私見とともに徹底考察します。
2025年5月17日時点の主な故障情報
先発ローテーションの被害
ジャスティン・スティール
肘尺骨側副靭帯部分断裂でシーズン絶望。
エース離脱はWAR▲3.5相当の痛手**と試算されます。
ショウタ・今永
4月末のミルウォーキー戦で肘の張りを訴え10日間IL入り。
球団は「慎重」と表現しつつ実質3〜4週間離脱の見通し。
ハビアー・アサド
5月1日付で脇腹を痛め60日IL入り。
復帰は早くても6月中旬。
ブルペンの不確定要素
ベン・ヘラー
詳細非公表ながらシーズンアウト判定。
タイソン・ミラー
肩痛で60日IL入り。
ライアン・プレスリー
故障ではないものの4月後半から被本塁打率4.50/9と深刻な不振。
クローザー再編議論が浮上。
故障がもたらしたローテーションの空白
残る健常先発は2人のみ
現時点でローテに残るのはカイル・ヘンドリックスとコリン・レア。
レアは防御率3点台前半で踏ん張るもQS率50%。
ヘンドリックスはゴロ率上昇で辛うじてERA4点台を維持。
二人に計200イニング以上を背負わせるのは現実的でなく、先発補充は喫緊課題です。
Cade Horton電撃デビュー
5月11日のメッツ戦でトッププロスペクトのケイド・ホートンが初登板。
4回5失点という内容ながらスライダー空振り率46%を記録し、ポテンシャルは示しました。
Ben Brownの“準エース格”覚醒
昇格後3登板で防御率2.76、K/BB 19:2と結果を残し、現地紙は「救世主候補」と評価。
ただしカーブの制球難は依然リスクで、コマンドが乱れると3回持たずに崩れる不安定さも抱えています。
ブルペン再編と緊急補強
カブスは5月12日にRHPトミー・ロメロとマイナー契約を結び、即AAA配属。
二軍で2試合3イニング無失点→メジャー昇格のプランが報道されています。
さらにDFAから流れてきた左腕ドリュー・ポメランツを獲得し、プレスリー不調時のプランBとして試験運用。
5月13日マーリンズ戦で初セーブを記録。
ブルペンは「右:ホッジ+ロメロ+ブラジア」 / 左:リトル+ポメランツ+トンプソンという左右均等の再編が濃厚。
AAAアイオワの昇格候補たち
先発枠を狙う5人
1. Jack Neeley:平均95マイルの伸びるフォーシームとチェンジアップでK/9=13.4。
2. Brandon Birdsell:GB率58%で「小型ヘンドリックス」の異名。
3. Daniel Palencia:スライダー改良でWHIP1.08。
4. Luke Little:スリークォーターの角度で左打者封じ率.134。
5. Caleb Killian:今季から2シーム主体に切替え自責点3以下をキープ。
ブルペン昇格レース
アイオワはサイド右腕P.J.ヒギンズ、低腕左腕ジョシュ・ロジャース、剛腕クローザーTerrell Brennanが好調。
特にBrennanは100マイル超でK/9=15.1とプレスリーの後継筆頭です。
私のロスター予測:6月15日時点
先発
ヘンドリックス/レア/ブラウン/ホートン/バードセル
ブルペン
リトル(L)/ポメランツ(L)/ホッジ(R)/ロメロ(R)/プレスリー(R)/トンプソン(L)/Brennan(R)
前田健太(マイナー契約中)は6月第2週にAAA合流の予定。
そこから2登板で結果を出せば、スティール枠に滑り込む可能性が高いと見ます。
勝率シミュレーション:故障回復別の3パターン
A. 今永6月上旬復帰&ブラウン定着
→ 投手WAR+3.2、予想シーズン勝率.565。
B. 今永長期離脱&ホートン制球難
→ 投手WAR+1.8、勝率.527。
C. 前田6月下旬昇格+プレスリー復調
→ 投手WAR+2.9、勝率.553。
私はシナリオAとCの折衷で「勝率.558、86勝でワイルドカード争い本命」と予測します。
結論:鍵を握るのは“適切な見切り”
カブスフロントは「若手に長いチャンスを与える」哲学から、昇格後数登板での即降格を避ける傾向にあります。
しかしスティール不在の今季は「状態が悪い投手を早期で見切り、勢いあるAAA組を回転させる」柔軟性こそが浮上の条件。
私見ですが、6月第1週までにブラウンがQSを3度、ホートンが5回2失点以内を2度記録できれば、チームは投手補強ではなく打線強化に資金を振り向けられるはずです。
逆にブラウン炎上が続けばキリアン、ニーレー、バードセルが相次いで試される“負の回転ドア”が再発。
その局面でベン・ブラウンの安定感とショウタ・今永の調子がカブスのシーズンを左右すると断言します。
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事が観戦計画やファンタジーベースボールの判断材料になれば幸いです。
今後も昇格速報やローテーション更新があり次第、随時リライトしていきますのでをお忘れなく。
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