退職後の健康保険は任意継続?国保?どっちを選ぶか14日で決めるポイント

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会社を退職すると、まず不安になるのが「これからの健康保険をどうするか」という問題です。

次の仕事がすぐに決まっていなかったり、フリーランスになる予定だったりすると、病気やケガのときに保険証が使えないのでは…と焦ってしまいますよね。

実際、多くの人が「健康保険 任意継続 国保 どっち」と検索しながら、退職後14日ほどの短い期間でバタバタと決めています。任意継続の期限はおおむね退職後20日以内、国民健康保険(国保)への切り替えは14日以内の届出が原則です。余裕がありそうに見えて、考える時間は意外とありません。

この記事では、退職後の任意継続国民健康保険の違いを整理し、どっちを選ぶとお得なのか・損をしない判断のステップを、初心者向けにやさしく解説します。
「計算が苦手」「制度の説明を読んでも頭に入ってこない」という方でも、読み進めれば自分に合った選び方が見えてくるように構成しました。

最後には、14日・20日までにやるべきことチェックリストもまとめています。退職の準備で忙しい時期だからこそ、この記事をガイド代わりにして、落ち着いてベストな選択をしていきましょう。

退職後の健康保険、まずは全体像を整理しよう

退職すると健康保険はいつ切れる?

会社の健康保険証は、退職日までしか使えません。退職日の翌日からは、病院でその保険証を出すことはできず、いったん全額自己負担で支払うことになります。
そのため、退職日以降に通院の予定がある人は、なるべく早く新しい保険の手続きを進める必要があります。

一般的に、退職後に選べる健康保険は大きく3パターンあります。
1つ目が「今までの健康保険を任意継続する」、2つ目が「国民健康保険(国保)へ加入する」、3つ目が「配偶者など家族の扶養に入る」です。この記事では特に迷いやすい任意継続と国保の比較に焦点を当てます。

退職後に選べる3つのパターン

退職後の健康保険を整理すると、次のようになります。

  • 任意継続:会社を辞めても、これまでの健康保険を最長2年間続けられる制度
  • 国民健康保険:自営業・無職・フリーランスなどが加入する、市区町村が運営する保険
  • 家族の扶養:配偶者や親など、すでに健康保険に加入している家族の被扶養者になる

このうち「家族の扶養」は、収入が一定以下なら保険料ゼロで済むことも多く、最有力候補になるケースが少なくありません。
一方で、単身者や扶養に入れない年収の人は、現実的な選択肢が任意継続か国保かの二択になります。

「14日以内に決める」べき理由

国民健康保険は、会社の健康保険をやめてから14日以内に市区町村へ届出をすることが原則とされています。
また、任意継続については、多くの健康保険で退職日の翌日から20日以内の申請期限が定められています。

書類を集めたり窓口に行ったりする時間を考えると、退職後2週間(14日)くらいまでに方向性を固めておくのが安心です。
ギリギリまで悩んで何も手続きしないまま期限を過ぎてしまうと、「医療費は全額自己負担なのに、後から保険料だけさかのぼって請求される」といった最悪のパターンも起こりえます。

健康保険の任意継続とは?メリット・デメリット

任意継続の仕組みと加入条件

任意継続とは、会社の健康保険をやめたあとも、本人の希望で最長2年間同じ健康保険に加入し続けられる制度です。
条件としては、退職前に継続して2カ月以上その健康保険に加入していることが必要で、退職日の翌日からおおむね20日以内に申請しなければなりません。

任意継続になると、これまで会社と折半していた保険料を全額自己負担します。標準報酬月額に保険料率を掛けて計算され、保険料は原則として2年間同じ金額です。

なお、任意継続にしたあと、原則として「やっぱり国保に変えたいからやめます」といった理由で途中解約することはできません。この点も重要なポイントです。

任意継続のメリット4つ

任意継続の代表的なメリットは、次の4つです。

  • これまでと同じ保険証が使えるので、病院側の手続きがスムーズ
  • 扶養家族がいても、多くの健康保険では家族分の保険料が追加でかからない
  • 傷病手当金など、退職前から受給している給付は、一定条件で引き続き受けられるケースがある
  • 収入が大きく減っても、退職時の標準報酬月額をもとにした保険料が2年間ほぼ固定

特に配偶者や子どもを扶養している場合、家族の人数が増えても保険料が変わらないことが多い任意継続は、国保より有利になるケースが目立ちます。
また、近いうちに高額な医療費がかかりそうな予定(出産・手術など)がある場合も、これまでの健康保険を維持できる安心感は大きいと言えます。

任意継続のデメリット・向かない人

一方で、任意継続には次のようなデメリットもあります。

  • 保険料を全額自己負担するため、独身で収入が低い人には割高になりがち
  • 一度選ぶと原則2年間は途中解約できない(再就職など特定の事情を除く)
  • 保険料の納付が1日でも遅れると資格喪失になる場合がある

たとえば、「一人暮らしで、退職を機に年収が大きく下がる」「フリーランスとして当面の収入が読めない」といった人は、任意継続の保険料がかなり重く感じられるかもしれません。
このような場合は、後述する国民健康保険の所得に応じた保険料や、減免制度が使えないかを確認しながら検討するのがおすすめです。

国民健康保険とは?任意継続との違いと注意点

国民健康保険の保険料はどう決まる?

国民健康保険(国保)は、市区町村が運営する医療保険で、自営業者・フリーランス・無職の人などが加入する仕組みです。
保険料は、主に前年の所得世帯の人数に応じて計算されます。具体的な計算方法や金額は自治体ごとに異なるため、住んでいる市区町村の国保担当窓口のシミュレーションや試算を確認することが大切です。

退職後に任意継続を選ばない場合、多くのケースでは自動的に国保への加入が必要になります。
このとき、手続き自体は14日以内に市区町村へ届出することが求められていますが、14日を過ぎても加入手続きは可能で、保険料は退職日の翌日までさかのぼって請求される仕組みです。

国保のメリット・活用しやすいケース

国保のメリットは、次のような点にあります。

  • 収入が大きく下がった年は、翌年以降の保険料も実態に近い金額になりやすい
  • 自治体によっては、所得が一定以下の世帯向けに減免制度が用意されている
  • 将来、自営業やフリーランスとして長く活動するつもりなら、そのまま継続利用できる

とくに、単身者で退職後の収入がかなり落ち込む見込みの人や、翌年以降も低めの所得が続きそうな人にとって、国保は現実的で無理のない選択になりやすいです。
また、自治体によっては子育て世帯や低所得世帯向けの軽減措置が手厚いところもあるので、公式サイトや窓口で確認してみる価値があります。

国保のデメリット・注意したい落とし穴

一方で、国保にも注意しておきたい点があります。

  • 保険料が世帯単位で計算されるため、家族が多いと高くなりやすい
  • 退職から手続きまで時間が空くと、その期間の医療費をいったん全額自己負担し、後から払い戻しを受ける手間がかかる
  • 14日を過ぎても加入はできるが、保険料はさかのぼって請求されるため「使っていない期間の保険料」も払うことになりがち

つまり、国保を選ぶ場合でも、手続きの先延ばしはNGです。
「忙しくて役所に行っていなかったら、結局高い保険料だけまとめて請求された…」という悲しい事態を防ぐためにも、退職後はなるべく早く市区町村の窓口で相談しておきましょう。

任意継続と国保はどっち?損しない選び方の3ステップ

ステップ1:今後1年の収入と家族構成を書く

任意継続か国保かを決めるとき、いきなり保険料の計算から入ると、数字ばかりに追われて混乱してしまいます。
まずは紙やノートに、次の2つを書き出してみましょう。

  • 退職後1年間のざっくりとした収入見込み(ボーナス・アルバイト代なども含めて)
  • 一緒に暮らしている家族全員の年齢と人数(扶養する予定の子ども・配偶者など)

収入と家族構成がはっきりすると、「任意継続は家族の人数が増えても保険料が変わらない」「国保は世帯人数で保険料が変わる」といった、両者の違いがぐっとイメージしやすくなります。
ここで大切なのは、あくまでざっくりで良いので、まず自分の状況を見える化することです。

ステップ2:ざっくり保険料を試算して比較する

次に、任意継続と国保の保険料を、可能な範囲でざっくり試算してみましょう。
任意継続については、退職前に会社や健康保険組合に問い合わせると、標準報酬月額をもとにしたおおよその月額保険料を教えてもらえることが多いです。

一方、国保については、市区町村のサイトで公開されている保険料試算フォームや、「〇〇市 国民健康保険 保険料計算」といったページを使うと、おおまかな金額が出せます。
両方の金額が分かったら、「年間でいくら違うのか」「家族構成が変わったときの影響はどうか」を比較し、無理なく払える方に優先順位を置いて検討しましょう。

ステップ3:医療費が高くなりそうかで最終判断

最後に、1年〜2年のあいだに医療費がかかりそうかどうかも、判断材料として加えます。
たとえば、持病で定期的な通院が必要な人や、近いうちに手術・出産の予定がある人は、今の健康保険を任意継続しておく方が自己負担額が読みやすく、手続きもスムーズなケースが多いです。

一方、「そこまで通院の予定はない」「とにかく毎月の固定費を抑えたい」という人は、試算の結果しだいで国保の方がトータルで安くなることも十分考えられます。
迷ったときは、「保険料」と「医療費の見込み」の両方を並べてみて、家計全体としてどちらが安心かで決めると後悔が少なくなります。

手続きの流れと締切チェックリスト(14日・20日)

任意継続の申請期限と必要書類

任意継続を選ぶ場合は、退職日の翌日から20日以内(健康保険によっては14日以内)というタイトな期限があります。
必要書類の例としては、次のようなものが一般的です。

  • 任意継続被保険者資格取得申出書
  • 退職日が分かる書類(離職票・退職証明書など)
  • 本人確認書類
  • 保険料の口座振替依頼書 など

書類の形式や提出方法(郵送可・不可)は、加入している健康保険組合や協会けんぽによって違います。
退職が決まったら、できるだけ在職中に総務担当や健康保険組合へ問い合わせて、必要書類を取り寄せておくと安心です。

国民健康保険の加入手続きと14日の壁

国民健康保険に切り替える場合は、退職日の翌日から14日以内に、市区町村の窓口で加入手続きを行うことが原則です。
持ち物の例は次のとおりです。

  • 退職した会社の健康保険をやめたことが分かる書類(資格喪失証明書など)
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • マイナンバーが分かるもの
  • 印鑑(自治体によって不要な場合もあり)

14日を過ぎても加入手続きは可能ですが、その場合でも保険料は退職日の翌日までさかのぼって賦課されます。

「どうせ遡って払うなら、急がなくていいや」と思ってしまいがちですが、その間に病院へ行くと、いったん全額自己負担になり、後から払い戻し申請をする手間が増えてしまうので、やはり早めの届出がおすすめです。

14日・20日を過ぎたときのリカバリー

うっかりしていて、任意継続の20日や国保の14日を過ぎてしまうこともあるかもしれません。
その場合でも、あきらめずにまずは窓口や健康保険組合へ相談してみてください。

任意継続については、期限を過ぎると原則として加入はできませんが、国保については前述のとおり遡って加入・保険料賦課となるのが一般的です。
ただし、このあたりの取り扱いは自治体や加入している保険ごとに細かなルールが異なるため、最終的な判断は必ず公式窓口の最新情報を確認しましょう。

まとめ:退職したら「収入・家族・期限」で冷静に比較を

退職後の健康保険を任意継続にするか、国保にするかどっちが良いかは、人によって正解が変わります。
ポイントは、①今後1年の収入と家族構成、②任意継続と国保の保険料のざっくり比較、③医療費がかかりそうかどうか、の3つを冷静に書き出して整理することです。

家族が多く、当面の医療費もかかりそうな人は任意継続が有利になることが多く、単身で収入が大きく下がる人や、長期的にフリーランスで働く予定の人は国保が現実的な選択になりがちです。
いずれの場合も、「退職後14日・任意継続は20日」という期限を意識して、早めに会社や自治体の窓口へ相談しながら進めていきましょう。

この記事の内容は一般的な制度の概要であり、実際の取り扱いは加入している健康保険やお住まいの自治体によって異なる場合があります。
最終的な判断をする前に、必ず公式サイトや窓口で最新情報を確認し、ご自身の状況に合った形でベストな選択をしてみてください。

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