お正月が近づくと「おせちを用意したいけれど、手作りは難しそう」「何を作ればいいのか分からない」と悩みやすいですよね。
実は、おせちは全部を作ろうとしなくても大丈夫です。簡単に作れる定番だけを押さえ、足りない分は市販品を上手に組み合わせれば、十分に“それっぽく”仕上がります。
さらに、味のコツより効くのが段取りと盛り付けです。赤・白・金を意識して配置するだけで、料理が一気に映える(ばえる)おせちになります。
この記事では、初心者でも失敗しにくい「おせち料理を簡単に作る方法」と、日持ちさせる保存の考え方、買い足しアレンジ、盛り付けのコツまでまとめました。読んだあとすぐ、今年のお正月準備がラクになる内容です。
おせち料理を簡単にする基本は「全部作らない」
おせち料理の役割と“最低限”の考え方
おせち料理は、本来「正月三が日を台所仕事から解放するための保存食」という側面が強いです。
だからこそ、現代の家庭で完璧を目指すほど負担が増えてしまいます。結論から言うと、初心者は全部作らないほうが成功します。
おすすめは“軸になる3〜5品”を手作りし、あとは市販品で埋める方法です。軸の例は、紅白なます・煮しめ・伊達巻(または卵焼き)・黒豆など。これだけで「手作り感」が出ます。
さらに、おせちの見た目は品数の多さより色と配置で決まります。赤(にんじん・かまぼこ)/白(大根・なます)/黒(黒豆)/金(栗きんとん)を意識すると、少ない品数でも“きちんと感”が出ます。
献立の決め方は「色・主役・甘い」で迷わない
献立が決まらない原因は「品目の知識不足」ではなく、選択肢が多すぎることです。迷わないコツは、次の3枠で決めることです。
・色枠:紅白なます、かまぼこ、いくら、昆布巻き
・主役枠:煮しめ、ローストビーフ、焼き豚、海老
・甘い枠:黒豆、栗きんとん、伊達巻
この3枠から1〜2品ずつ選ぶだけで、バランスが整います。
さらに「家族が食べるもの」中心に寄せるのが大切です。伝統に寄せすぎて余るより、好きな味で完食できるほうが満足度が高いです。
結果として来年も続けやすくなり、毎年の正月準備がどんどんラクになります。
スケジュールは2日でOK。前日仕込みの優先順位
おせち料理を簡単にする鍵は、当日の作業を“盛り付け中心”に寄せることです。おすすめは2日設計です。
前日:切る・漬ける・煮る(味を入れる工程)
当日:焼く・温める・詰める(見た目を整える工程)
前日にやると効くのは、紅白なます(味がなじむ)、煮しめ(翌日のほうがおいしい)、黒豆(市販でもOK)、田作り(冷めても食感が安定)です。
当日に回すのは、卵焼き・焼き物・揚げ物など“出来立て感”が嬉しいもの。
この優先順位で動けば、バタつきが減り「写真を撮る余裕」も生まれます。余裕があるほど、結果として“映えるおせち”になります。
失敗しないための下準備と保存のコツ
日持ちの基本は「水分・温度・器」を管理する
おせちは保存食とはいえ、現代の住環境では油断すると傷みやすいです。基本は水分を増やさないこと、そして冷ます→詰める順番を守ることです。
熱いまま重箱に詰めると、湯気が水滴になり、味も見た目も落ちます。必ず常温まで冷ましてから詰めましょう。
また、汁気の多い料理はカップや仕切りで分けると安全です。100均の小分けカップは見た目も整い、衛生面でもメリットがあります。
保存の目安としては、冷蔵で1〜2日が基本線です。とくに生もの(いくら等)やマヨ系、半熟卵は早めに食べ切るほうが安心です。
「おいしい」と「安全」と「映え」を同時に取るには、詰め方の設計が一番効きます。
味付けは“濃いめ少なめ”が正解。調味の黄金比
おせちが決まらない理由は、実は味が薄いことが多いです。保存性も考えると、味付けは濃いめ少なめが基本になります。
初心者が使いやすい黄金比は、和の煮物なら「しょうゆ:みりん:酒=1:1:1」に、砂糖を小さじ1〜で調整するイメージです。
ただし“煮詰めすぎ”は塩辛くなるので、味を見ながら最後に少し煮詰めて照りを出すのがコツです。照りが出ると写真でも一気に映えます。
酢の物(紅白なます)は「酢:砂糖:塩=2:1:少々」をベースにすると失敗しにくいです。
いきなり完璧を狙わず、まずはこの型で作り、翌年に微調整するくらいが続きます。
重箱がなくてもOK。代用できる器と仕切りテク
重箱がないと、おせちは無理だと思いがちですが、実際は器で十分成立します。おすすめは、白い角皿やワンプレート、仕切り付きトレーです。
映えのコツは、料理同士を“混ぜない”こと。ここで活躍するのが、紙カップ、小鉢、シリコンカップです。
例えば、黒豆・栗きんとん・田作りのように色が強いものはカップに入れるだけで、輪郭が出て写真が締まります。
さらに、器の色は「白+木」が強いです。木のトレーやまな板に小鉢を並べるだけで、料亭っぽい雰囲気が出ます。
結果的に、重箱より扱いやすく、洗い物も少なくなります。おせち料理を簡単にしたい家庭ほど“器の工夫”が効きます。
初心者向け!簡単に作れる定番おせち料理5品
紅白なます:切って揉んで漬けるだけで一気に正月感
紅白なますは、初心者でも失敗しにくく、しかも映えるおせち料理の代表です。大根とにんじんを千切りにし、塩を振ってしんなりさせ、水気をしっかり絞ってから甘酢に漬けるだけ。
ポイントは“水気を絞る”ことです。ここが甘いと味がぼやけ、保存性も落ちます。
甘酢は「酢大さじ4、砂糖大さじ2、塩少々」を目安に、好みで調整すると安定します。
仕上げに、柚子皮(チューブでもOK)や白ごまを少し足すと香りが出て、写真でも上品に見えます。
なますとしては、薄切りのれんこんや、ゆず大根風にアレンジするのもおすすめです。最初の1品に最適で、作り置きにも向きます。
煮しめ:具材は“カット野菜+鶏”で時短してOK
煮しめは「難しそう」と思われがちですが、具材選びで一気に簡単になります。
おすすめは、里芋・にんじん・れんこん・こんにゃくのカット済み食材を使い、そこに鶏ももを少し入れて旨みを足す方法です。
出汁を丁寧に取れなくても、顆粒だしで十分おいしく作れます。味付けは「しょうゆ・みりん・酒=1:1:1」をベースに、甘さを砂糖で調整。
煮しめが映えるコツは、にんじんを花型に抜くことと、れんこんの穴を活かして盛ることです。型抜きは100均でも手に入ります。
前日に作って一晩置くと味が入り、翌日のほうがしっかりおいしくなります。忙しい家庭ほど、煮しめは“前日枠”に入れるのが正解です。
伊達巻代わりの甘い卵焼き:フライパンで手軽に再現
伊達巻はミキサーや巻きすが必要でハードルが高く感じますが、代わりに“甘い卵焼き”を作れば十分おせちっぽくなります。
卵に砂糖、少量のだし、塩を入れ、いつもより甘めに焼くだけでOKです。焼き上がりを巻きす風にラップで包み、形を整えると見た目が上がります。
仕上げに、切り口をそろえて並べるだけで、重箱の一角が一気に“正月顔”になります。
さらに映えを足すなら、卵焼きの横にかまぼこを置く、または金箔風の飾り(食用)を少量使うのも手です。
甘い卵焼きは子どもも食べやすく、余りにくいのが強みです。おせち料理を簡単に続けたいなら、まずこの“置き換え”が効きます。
買い足しで完成度UP!映えるおせちのアレンジ術
市販品の選び方:3品買うなら「黒・金・赤」を優先
全部手作りにしない前提なら、市販品の選び方が勝負です。おすすめは、見た目に効く「黒・金・赤」を優先することです。
黒=黒豆、金=栗きんとん、赤=いくら・数の子・海老など。これらは少量でも存在感があり、詰めた瞬間に“映えるおせち”になります。
反対に、味は良いけれど見た目が単調なもの(茶色一色の煮豆など)は、初心者の最初は後回しでも構いません。
市販品はそのまま出すより、小鉢に移すだけで一気に上品に見えます。
さらに、葉物(松の葉の代わりにローズマリー等)やレモンの輪切りを少し添えると、写真でも立体感が出ます。買い足しは“少量で効くもの”に集中させるのがコツです。
重箱の詰め方:ルールは「角・対角・リズム」で整う
詰め方で迷う人は、ルールを1つだけ持つとラクになります。おすすめは「角・対角・リズム」です。
まず角に“強い色”を置きます。例えば黒豆や栗きんとん。次に、その対角に赤(いくら、海老、かまぼこ)を置くと、視線のバランスが取れます。
あとは間を埋めるように、白(なます、卵)と茶(煮しめ)を配置すると整います。
ここで重要なのが、同じ料理をかたまりで置かないことです。小カップで分けて“点在”させると、品数が多く見えて映えます。
最後に隙間を葉物や昆布で埋めると、崩れにくく、写真でも整った印象になります。詰める作業は、実はおせちの“最後の料理”です。
ワンプレートおせち:1人分ずつが実は一番映える
重箱より簡単で映えるのが、ワンプレートおせちです。1人分ずつ盛ると、盛り付けの意図がはっきりし、写真でも強いです。
おすすめは、プレートを3〜5区画に分けるイメージで、主役(煮しめor肉)、甘い(黒豆or栗きんとん)、紅白(なます)、焼き物(卵焼きor魚)を配置します。
このとき、色が近いものを隣に置かないだけで、見た目が一気に整います。
さらに、豆皿を使うと“店っぽさ”が出て映えます。100均の豆皿でも十分です。
おせちは家族の好みが分かれやすいので、ワンプレートにすると「好きなもの多め」「苦手は少なめ」が自然にでき、結果として完食率が上がります。ラクで無駄が少ないので、初心者に特におすすめです。
失敗を防ぐ注意点と、現実的な進め方の実例
作りすぎ防止:1品は“小さく作る”が正解
おせちで一番ありがちな失敗は、作りすぎて余ることです。特に初年度は張り切りがちなので、意識的に“少なく作る品”を決めると失敗しにくいです。
おすすめは、黒豆や田作りなど「つい多くなりやすい」ものを小鉢1つ分に限定すること。
逆に、煮しめは翌日以降も食べやすいので少し多めでもOKです。紅白なますもアレンジしやすく、サラダ感覚で消費できます。
量の目安としては、家族4人なら「小鉢×6〜8個分」くらいから始めるのが無理がありません。
“映え”は量ではなく配置で作れます。少量を小分けにして点在させるほうが、見た目は豪華に見えます。まずは無理のない量から始めるのが、毎年続くおせちへの最短ルートです。
安全面の注意:生もの・半熟・常温放置を避ける
おせちは「置いておけば大丈夫」と思われがちですが、現代は室温や冷暖房の影響で傷みやすいです。安全面は、初心者ほどルール化して守るのが安心です。
・生もの(いくら等)は最初に食べる、長時間出しっぱなしにしない
・半熟卵やマヨ系は作らない/入れるなら少量で早めに食べ切る
・詰める前に料理をしっかり冷ます(湯気=水分=劣化の原因)
・食卓に出したら、食後はすぐ冷蔵へ戻す
この基本だけで、トラブルはかなり減ります。
また、重箱のまま冷蔵庫に入れにくい場合は、小分け容器に移すのも手です。見た目より安全を優先してOKです。安全に作れてこそ、おせちは楽しいイベントになります。
実例:手作り3品+市販4品で“十分映える”セット
最後に、現実的に成功しやすい構成例を紹介します。初心者はまず「手作り3品+市販4品」くらいがちょうど良いです。
手作り:紅白なます/煮しめ/甘い卵焼き(伊達巻代わり)
市販:黒豆/栗きんとん/かまぼこ(紅白)/海老(またはいくら少量)
この7点がそろうと、色(赤・白・黒・金)が揃い、写真でも一気に正月感が出ます。
詰め方は、角に黒豆と栗きんとん、対角にかまぼこと海老を置き、残りを埋めるだけ。小カップを使って輪郭を出すと崩れにくくなります。
「全部作らない」前提でも、十分に“ちゃんとしたおせち”になります。まずはこの型で成功し、翌年に品数を増やすのが無理のない進め方です。
まとめ
おせちは、全部を手作りしなくても大丈夫です。初心者ほど「おせち料理を簡単にする」発想が成功の鍵になります。
赤・白・黒・金の色をそろえ、軸になる3〜5品だけ手作りし、足りない分は市販品を小鉢で整えるだけで、十分映えるおせちが完成します。
段取りは2日設計が基本で、前日に切る・漬ける・煮る、当日は焼く・温める・詰めるに分けるとラクです。
まずは「紅白なます+煮しめ+甘い卵焼き」を手作りしてみてください。今年の成功が、来年以降の“定番化”につながります。






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