「NotebookLMを使ってみたいけれど、英語っぽい画面でちょっと怖い」「どこから設定すればいいか分からない」と感じて、ページだけ開いてそっと閉じていませんか。
AIツールは便利そうでも、最初の初期設定でつまずくと、そのまま放置されがちです。
でも安心してください。NotebookLMは、最初に「アカウント」「表示」「ノートの作り方」「情報の入れ方」「最初のプロンプト」という5つのポイントさえ整えてしまえば、あとはメモと資料を入れて質問するだけでどんどん使いこなせるようになります。難しいカスタマイズや専門知識は不要です。
この記事では、NotebookLM初心者の方向けに、「最初の30分でやっておきたい初期設定の5ステップ」をやさしく解説します。画面の構造から、最初のノートの作り方、安全な情報の入れ方、そしてすぐ試せる質問(プロンプト)まで、順番にたどるだけでスタートラインに立てる構成にしました。
読み終わるころには、「とりあえず1つノートを作って、手持ちの資料を入れてみよう」と自然に手が動くはずです。これからNotebookLMでスライド作成や議事録整理にも挑戦したい方にとって、その土台になる設定ガイドとして活用してください。
NotebookLMとは?初期設定前に知っておきたい基礎
NotebookLMの特徴とできること
NotebookLMは、「自分の資料を理解してくれるAIノートブック」です。普通のチャットAIは、その場の質問に答えることが中心ですが、NotebookLMはノートごとにPDFやテキスト、Web情報などを登録して、その内容を踏まえて会話できます。
たとえば、会議メモやブログの下書き、マニュアル、勉強ノートなどを入れておくと、「要約して」「初心者向けに言い換えて」「スライド作成用にアウトラインを作って」といった相談ができます。あなたがノートに入れた情報が、そのまま“自分専用辞書”のように使われるイメージです。
この「自分の資料ベースでAIが動く」という仕組みを理解しておくと、これからの初期設定も「どう活きる設定なのか」がイメージしやすくなります。
初心者がつまずきやすいポイント
NotebookLM初心者がつまずきやすいのは、機能よりも最初の入口です。「どのGoogleアカウントで始める?」「日本語でちゃんと使える?」「どのボタンを触ればいい?」といった不安があると、なかなか触れません。
加えて、「どんな資料を入れてOKなのか」「機密情報は大丈夫?」といったセキュリティ面で不安になる人も多いです。これらは、あらかじめ「ここまでは入れていい」「これは入れない」と自分ルールを決めておくことでかなり解消できます。
この記事では、こうした「最初の壁」を順番に解消できるように、設定+使い方の最初の一歩までを含めて整理していきます。
この初期設定ガイドのゴール
このガイドのゴールは、「複雑なカスタマイズ」を教えることではありません。目指すのは、NotebookLM初心者が今日中にここまでできる状態です。
・正しいアカウントでNotebookLMにログインできている
・日本語環境で画面のどこを触ればいいか分かる
・最初のノートが1つ作成されている
・入れていい情報・ダメな情報のイメージがついている
・簡単なプロンプトでNotebookLMに質問できている
ここまで整っていれば、「初期設定は完了」と言って良いレベルです。細かい機能はその後覚えれば大丈夫なので、まずはこのゴールを一緒に目指していきましょう。
ステップ1:NotebookLMにアクセス&アカウント準備
推奨ブラウザとGoogleアカウントの選び方
まずは、NotebookLMを使うための入口づくりからです。NotebookLMはブラウザで動くサービスなので、ChromeやEdgeなど、できるだけ新しいバージョンのブラウザを使うのがおすすめです。特にGoogle製のChromeなら、アップデートとの相性も良く動作も安定しやすいです。
次に大事なのがGoogleアカウントの選び方です。すでにGmailやGoogleドライブを使っている方は、そのアカウントでログインできますが、「仕事で使うか」「完全に個人用か」を先に決めておくと後々ラクです。業務の機密資料を扱う可能性があるなら、会社のルールに沿ったアカウントを選びましょう。
個人利用が中心なら、「普段よく使うGmailアドレス」で始めておけばOKです。ここで迷って進まないのが一番もったいないので、「最初は個人用で触って、慣れてから仕事用で検討」という段階的な使い方もおすすめです。
ログイン手順と最初の画面の見方
NotebookLMの画面を開いたら、まずはGoogleアカウントでログインします。画面右上などにある「Sign in」や「ログイン」ボタンから、自分のアカウントを選んでサインインするだけです。
ログイン後の画面は、大きく分けて以下の構成になっていることが多いです。
・左側:ノート一覧と「新しいノート」ボタン
・中央:選択したノートの中身(メモや資料)
・右側:AIとのチャットエリア(質問を入力する場所)
この3つだけ覚えておけば、最初は十分です。「ここがノート、その中に資料、その横でAIに質問」とざっくりイメージしておくと、これからの初期設定がぐっと分かりやすくなります。
個人用と仕事用を分けたい人の注意点
NotebookLMを「仕事でも使うかもしれない」と考えている人は、最初からアカウントを分ける前提で動くのがおすすめです。個人用アカウントには、自分の勉強ノートやブログ記事の下書きなど、完全にプライベートな内容を入れます。
一方、仕事用では「会社のルールでOKと言われた範囲の資料だけ」に限定しましょう。もし迷うなら、上司や情報システム担当に「外部のAIサービスにどのレベルの資料まで入れてよいか」を一度確認しておくと安心です。
アカウントを分けることで、「これは個人ノートだったのに仕事の資料が混ざった」といった事故も防ぎやすくなります。初期設定の段階で線引きしておくことが、安全にNotebookLMを使い続けるコツです。
ステップ2:言語設定・表示設定で日本語環境を整える
NotebookLMで日本語入力・出力を安定させるコツ
NotebookLMは英語UIでも中身は日本語でOKです。AIへの質問も日本語で書けますし、「日本語で答えてください」と一言添えれば、日本語での回答が安定しやすくなります。
初期のうちは、NotebookLMに対して「これから日本語でやりとりしたいので、回答も日本語でお願いします」とメモ代わりに書いておくのもおすすめです。最初の数回は少しぎこちなく感じても、AIに「もう少しやさしい日本語にして」「中学生でも分かる表現にして」と頼めば、十分読みやすい文章になります。
日本語の誤変換や表現の違和感はゼロにはなりませんが、「AIのたたき台を自分で少し直す」前提で使えば問題ありません。初期設定の段階で、「完璧な日本語を期待しすぎない」と心のハードルを下げておくと、ストレスなく使い始められます。
画面レイアウトの基本と覚えておきたい場所
NotebookLMの画面は情報量が多く見えますが、初心者がまず覚えるべき場所は多くありません。以下の3か所さえ押さえておけば十分です。
・左上:新規ノート作成ボタン(+マークなど)
・中央上部:ノートタイトル(ここをクリックして名前変更)
・右下:AIへの質問入力欄
他にも設定アイコンやメニューはありますが、初期設定の段階では無理に触る必要はありません。むしろ、いろいろ押して迷子になるより、「よく使う場所だけ先に覚える」ほうがスムーズです。
慣れてきたら、資料追加ボタンやノート内での検索機能なども少しずつ覚えていけばOKです。最初から全部使いこなそうとせず、「3か所だけ覚える」というのが初心者にはちょうど良いスタートラインです。
初心者が最初に触るべきボタン/触らなくていい機能
NotebookLMには多くの機能がありますが、初期設定〜最初の数日で触るべきなのは次の2つだけです。
・新規ノート作成(New Notebook)
・資料追加(Add source など)
逆に、最初のうちは無理に触らなくていいのが、細かい設定メニューや高度なオプションです。たとえば、ノートの共有機能や細かいフィルターなどは、NotebookLMに慣れてからでも遅くありません。
「まずはノートを1つ作り、資料を1つ入れて質問してみる」。このシンプルな流れを最短で試せるように、必要最低限のボタンだけ覚えておきましょう。
ステップ3:最初のノート作成と名前のつけ方
新規ノートの作り方とおすすめテーマ
いよいよNotebookLMの心臓部であるノートを作ります。左側メニューの「New Notebook」や「+」ボタンをクリックすると、新しいノートが作成されます。
最初のノートは、いきなり難しい仕事用テーマでなくても構いません。おすすめは、以下のような「自分がすぐに使いそうな小さなテーマ」です。
・「出張メモ_NotebookLM試用」
・「ブログネタ整理_2025」
・「資格勉強_要点まとめ」
最初から完璧を目指さず、「NotebookLMでノートが1つ動き始めた」という成功体験をつくることが、初期設定フェーズでは何より大事です。
迷わないノート名のテンプレ例
ノート名は、後から見たときに一瞬で中身がイメージできることが大切です。おすすめのテンプレは、「年月+用途+キーワード」です。
・「2025_営業会議メモ_NotebookLM活用」
・「2025Q1_マーケ分析レポート下書き」
・「読書ノート_ビジネス書要約」
このようにしておけば、NotebookLM内でノートが増えてきても、「いつ・何のためのノートか」が分かりやすくなります。初期設定のうちにルールを決めることで、あとから整理に悩む時間を減らせます。
ノートの中に「目的」と「ルール」を書いておく
ノートを作成したら、最初の数行にそのノートの目的とルールを書いておくのがおすすめです。たとえば、次のような感じです。
「このノートは、○○の勉強や資料作成に使うためのNotebookLM用ノートです。個人のメモと公開可能な資料だけを入れ、顧客名や金額などの機密情報は入れないルールにします。」
こうして目的とルールを書いておくと、自分自身への注意喚起にもなりますし、NotebookLMに質問するときも文脈が伝わりやすくなります。初期設定の一部として“ノートの宣言文”を書くイメージで、ぜひ最初の1行を作ってみてください。
ステップ4:NotebookLMに入れていい情報・入れちゃダメな情報
NotebookLMに入れていい情報・ダメな情報
NotebookLMを使い始める前に、必ず考えておきたいのが情報の線引きです。AIツール全般に言えることですが、「とりあえず全部放り込む」はおすすめできません。
比較的入れても安心なものの例としては、次のようなものがあります。
・自分で書いたブログ記事やメモ
・公開されている資料(Web記事、公開レポートなど)
・個人名を伏せた会議メモや勉強ノート
一方で、次のような情報は、そのまま入れるのは避けましょう。
・顧客名・住所・電話番号などの個人情報
・契約書や見積書などの機密性が高い書類
・社外秘の新規事業企画や未発表情報
どうしても使いたい場合は、名前や金額を伏せた“マスク版”を自分で作ってからNotebookLMに読み込ませるのがおすすめです。
初心者向け「資料投入」のやり方とおすすめ素材
情報の線引きができたら、いよいよノートに資料を投入します。NotebookLMでは、PDFやテキスト、場合によってはリンクなどから情報を取り込むことができます。初期設定の段階では、扱いやすいテキストかPDF1〜2本から始めると安心です。
初心者におすすめの素材は、次のようなものです。
・自分のブログ記事や過去のプレゼン原稿
・社内で共有済みのマニュアル(機密度が低いもの)
・勉強会のレジュメや講義ノート
資料を追加したら、「このノートには今○件の資料が入っている」という状態になります。まずは少数で構わないので、「NotebookLMに資料を入れた状態」を作ることが大事です。ここまでできれば、初期設定ステップの山場はほぼクリアと言っていいでしょう。
安全に使うための「マイルール」を決める
NotebookLMを長く安心して使うには、自分なりのマイルールを初期設定の段階で決めておくのが効果的です。たとえば、次のようなルールです。
・顧客名は頭文字+業種に変換してから入れる
・金額は「数百万円」「数千円」などざっくり表現にする
・契約書や見積書そのものは入れない
こうしたルールをノートの最初に書いておけば、後から自分が迷うことも減りますし、万が一ノートを誰かと共有することになっても安心度が高まります。NotebookLMの初期設定=安全な使い方の土台づくりと考えておくと良いでしょう。
ステップ5:最初に用意しておきたいプロンプトテンプレ
NotebookLMに最初に投げると良い質問の考え方
初期設定がひととおり終わったら、いよいよNotebookLMに質問(プロンプト)を投げてみます。ここで大事なのは、いきなり難しい依頼をせず、「ゴール+やってほしいこと」をシンプルに伝えることです。
たとえば、「このノートの内容を、初心者向けの説明にしたいです。まずは要点だけ3つにまとめてください。」といった聞き方なら、NotebookLMも意図を理解しやすく、実用的な回答を返しやすくなります。
プロンプトは「文章力のテスト」ではないので、丁寧な敬語を意識しすぎる必要はありません。NotebookLMにとって大事なのは、目的(なぜ)と対象(誰に)が書いてあるかどうかです。
初期設定直後に使えるプロンプト例5選
ここでは、NotebookLM初心者が初期設定直後にそのまま使えるプロンプトを5つ紹介します。ノートに資料を入れたら、ぜひコピペして試してみてください。
1.「このノート全体の内容を、3つのポイントに要約してください。」
2.「この資料を、プレゼン用のスライド作成に使いたいです。10枚以内のアウトライン案を出してください。」
3.「この内容を、初心者向けにやさしく説明した文章を400字程度で作ってください。」
4.「このノートから、次にやるべきアクションアイテムを5つ箇条書きで抽出してください。」
5.「このノートの内容をもとに、よくありそうな質問と回答を3組作ってください。」
どれも「目的」がはっきりしているので、NotebookLMが動きやすい形になっています。最初はこの5パターンだけでも十分なので、ノートごとに繰り返し使ってみましょう。
プロンプトを「自分用テンプレ」としてノートに保存する
最後に、よく使うプロンプトはノートの先頭や別ノートにテンプレとして保存しておくと便利です。「NotebookLM_プロンプト集」というノートを1つ作り、今回紹介したような質問文をメモ代わりに貼っておきましょう。
毎回ゼロからプロンプトを考えるのは大変なので、「コピペして少しだけ書き換える」スタイルにすると、NotebookLMのハードルが一気に下がります。初期設定の一部として、自分だけのプロンプトテンプレを1つ用意しておくと、その後の活用がぐっとスムーズになります。
まとめ:NotebookLMの初期設定は「ノート1つ+プロンプト数個」で十分
ここまで、NotebookLMの初期設定として、アカウント準備・日本語環境の整え方・最初のノート作成・安全な情報の線引き・プロンプトテンプレの用意、という5つのステップを紹介しました。どれも特別なスキルは必要なく、「手順に沿ってポチポチ進めるだけ」で到達できる内容です。
NotebookLMは、ノートに資料を入れて質問するだけで、要約や整理、スライド作成の叩き台まで作ってくれる強力な相棒です。その力を引き出すために必要なのは、難しい設定ではなく、「どのアカウントで使うか」「どんな情報を入れるか」「何をさせたいか」を自分の中で決めておくことに尽きます。
まずは今日、1つでいいのでノートを作り、手持ちの資料を1本入れて、この記事のプロンプトを試してみてください。その小さな一歩が、NotebookLMを「ただのAIツール」から「仕事と学びを支えてくれる相棒」に変えてくれるはずです。

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