NotebookLM Plus は、Google Workspace ユーザー向けに公開されたばかりの “社内情報専用” 生成AIプラットフォームです。
一般Web情報を参照せず、アップロードした自社ドキュメント・音声・動画文字起こしだけを根拠に回答を生成できるため、情報漏えいの心配なく中小企業でも手軽にAI活用が始められます。
しかも PDF・Word・YouTube・音声ファイルなど形式を問わず一括管理でき、社内ナレッジ検索や議事録作成の手間を大幅に削減。
今回は、実際に社長インタビューや就業規則を読み込ませて見えた「すぐに使える5大活用法」を事例ベースで解説します。読了後には、「自社でもまずはこの使い方から始めよう」と具体的な一歩が踏み出せるはずです。
就業規則Bot化で“聞かなくてもわかる”オフィスマニュアル
NotebookLM Plusで就業規則を読み込む方法
準備はシンプルです。Google Drive に最新版の就業規則ファイル(PDF/Googleドキュメントいずれも可)を置き、NotebookLM Plus の「新規作成→ソースを追加」で該当ドキュメントを選択するだけ。アップロード後にDrive同期をONにしておけば、改訂版を発行した際もワンクリックで内容を更新できます。
社内Q&A検索の自動化で総務コストを削減
従業員が「入社3年目の有給日数は?」「時差出勤の条件は?」と自然文で質問すると、Botが就業規則該当条文を引用しながら即答。総務部門に質問が集中する“ムダ待ち時間”を削ぎ落とし、問い合わせ対応コストを削減します。条文ソースリンクも同時提示されるため、エビデンス確認もワンクリックです。
最新規程を共有リンク1本で全社員に展開
NotebookLM Plus ノートは閲覧権限で社内共有できます。社員はブラウザからBotを開くだけで、規則改訂版も常に最新。印刷配布やPDF添付メールが不要になり、情報統制ミスを防止します。
社長の思考を丸ごとBot化!“社長Bot”で意思決定を高速化
音声・動画・書籍データをまとめて取り込み
社長インタビュー音源、YouTubeライブ、著書の原稿などを一か所にアップロードすると、社長の思考データベースが完成。文字起こしも自動、ファイル形式を気にする手間はありません。
提案前に社長Botへ質問して“軸ブレ”を防ぐ
社員は「新規事業案を提案する前に、社長Botに“顧客価値最優先という方針に合うか”を確認」といった使い方が可能です。回答には社長発言の引用が添付されるため、意思決定基準のブレを最小化できます。
ナレッジの属人化を解消し社長不在時も判断可能
社長出張時でも Bot が代わりに“社長の考え”を提示するため、承認待ちが減少。属人化していた経営判断基準を組織知に昇華し、ボトルネック解消と意思決定スピード向上を同時に実現します。
会議議事録を自動生成!“疑似録”の手動作成はもう不要
音声ファイルをそのままアップするだけで要約生成
録音した1時間超の会議音声をアップすると、数分で「要点整理」「決定事項」「アクションアイテム」を自動抽出。要点レベル/ブリーフィングレベルなど要約粒度もボタン一つで切り替えられます。
参加者確認+AI整形で品質担保も簡単
議事録はAI任せでも、最終チェックは人間の役割。NotebookLM Plus の右パネルに直接修正メモを追記し、完成版をコピーしてGoogleドキュメントへ—という流れで“速さと正確さ”を両立できます。
録音時の許可取得テンプレートをBotに登録
顧客や外部パートナーとの会議では録音許可が必須。許可取得例文を Bot に登録し、毎回ワンクリックで提示できるようにするとコンプライアンスも万全です。
FAQ・社員教育コンテンツの自動生成で新人育成を効率化
社内資料+動画講義を読み込ませて“学習Bot”を構築
研修資料、eラーニング動画の文字起こし、現場Q&A集をソースとして投入すると、新人が疑問点を尋ねるだけでピンポイント回答が返る学習Botが完成。講師の工数を削減しつつ、24時間自己学習が可能になります。
FAQ自動生成でヘルプデスクの負荷軽減
NotebookLM Plus の「FAQ」機能を使えば、アップロードした文書から頻出質問を自動抽出。“質問ひな形+回答サマリ”を一括生成できるため、ヘルプページの初期構築が劇的に楽になります。
理解度テストもAIが自動作成
資料を読み込ませた後に「5問の選択式テストを作成して」と指示すれば、即座にミニテストが生成されます。新人研修の最後にQuickチェックを挟むことで、学習定着を測定しやすくなります。
Drive同期・共有設定を活かした運用ハック5選
同期漏れを防ぐ“週次リマインド”ルール
ドキュメント更新後もDrive同期ボタンを押さないと Bot 内容は古いまま。更新担当者にカレンダー通知を自動送信する“週次リマインド”を設定しておくと、同期漏れリスクを低減できます。
権限レベルを使い分けて情報統制
Bot共有リンクでは「閲覧のみ」「編集可」を個別設定可能。就業規則Botは閲覧専用、プロジェクト共有ノートは編集可など、目的別に権限を細かく切り替えることでセキュリティと利便性を両立します。
スマホ閲覧最適化で現場社員も即アクセス
スマホブラウザでもNotebookLM Plus はレスポンシブ表示。ホーム画面にショートカットを追加しておけば、現場作業員がその場でマニュアル検索・議事録確認を行えるため、紙資料ゼロ運用が実現します。
NotebookLM Plus の真価は「自社内情報だけを使う安全性」と「アップロードするだけでナレッジBotを構築できる手軽さ」にあります。
就業規則や議事録、社長Bot、FAQ生成など、本記事で紹介した5大活用法はすべて中小企業が明日から始められるレベルのものばかり。まずは“就業規則Bot”など単一業務に導入し、効果を実感しながら社内展開を広げるのが成功のコツです。
AIに任せるべき「整理・要約・検索」を自動化し、人間は判断とコミュニケーションに集中する——それこそが、これからの組織競争力を高める最短ルートと言えるでしょう。
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