NotebookLMはPDFやYouTubeリンクを貼るだけでAIが瞬時に要約・検索を行ってくれる便利ツールですが、「どのファイルを入れれば最適か」「取り込み前に何を準備すべきか」が曖昧だと、せっかくの性能を活かしきれません。
とくにPDF・動画・音声は情報量が多く、ファイル構造やメタデータの整備を怠ると検索精度が大幅に低下します。
本記事ではNotebookLMの対応フォーマットを完全網羅し、それぞれのファイルタイプでAI精度を最大化するコツを具体的に解説。
読み進めるだけで、アップロード前の下準備から運用ルールまでワンストップで理解できる構成です。
NotebookLMが対応する主なファイル形式
1-1 ドキュメント系:PDF・Google Docsなど
PDFはもちろん、Google DocsやWordをGoogle Driveに変換したファイルも問題なく読み込めます。ポイントはOCRの可否。画像化されたPDFはテキスト抽出ができないため、事前にOCRをかけて文字情報を埋め込むとAIが段落構造を認識しやすくなります。
1-2 マルチメディア系:動画・音声・YouTubeリンク
動画や音声ファイルは自動字幕(VTT/SRT)が付与されていれば高精度で解析可能です。
YouTubeリンクは公開・限定公開どちらも対応しますが、チーム共有の際は視聴権限を統一しておくことが必須です。
1-3 スライド系:PowerPoint・Googleスライド
プレゼン資料はNotebookLMがスライド内テキストを抜粋し、ノートの見出しとして再構成します。
画像のみのスライドは文字情報が欠落するため、Altテキストに要点を追記しておくと検索ヒット率が上がります。
PDF取り込みで押さえる3つのポイント
2-1 階層化された目次を活用する
PDFにはしおり機能(アウトライン)を設定しましょう。NotebookLMは章節構造を認識して自動見出しを生成するため、アウトライン付きPDFなら回答がより的確になります。
2-2 画像ベースPDFはOCR必須
スキャン資料の場合はGoogle Driveの「テキスト抽出」かAdobe AcrobatのOCRで文字情報を埋め込みます。
OCR精度が低いとAIの要約が誤変換だらけになるため、手動校正で誤字を修正してからアップロードするのが鉄則です。
2-3 ファイルサイズと読み込み上限
NotebookLMは1ファイルあたり最大10MB・約250ページを推奨上限としています。巨大PDFは章ごとに分割し、ノート内で「シリーズ」としてリンクを貼る運用が検索効率を高めます。
動画ファイルの取り込みと活用法
3-1 字幕ファイルを同じフォルダに置く
MP4と同名の.vtt/.srtを用意し、同一ディレクトリでアップロードするとNotebookLMが自動で字幕を読み取ります。自動生成字幕は誤認識が多いので、固有名詞だけでも手修正すると要約品質が向上します。
3-2 チャプター(時間ハッシュ)をメタデータ化
YouTubeならチャプター機能、ローカル動画ならExcelで「開始秒数 | タイトル」のリストを作成し、ノートに貼り付けます。AIはチャプター名を見出しとして認識するため、長時間動画でも目的のセクションを瞬時に検索可能です。
3-3 音声波形のノイズ処理
背景音が多い動画は文字起こし精度が下がります。Audacityなどでノイズリダクションをかけ、字幕を再生成してからアップロードすると、AIの回答がクリアになります。
音声ファイルの文字起こしと連携術
4-1 文字起こしエンジンの選定
無料ならGoogle RecorderやWhisper、有料ならOtter.aiが高精度。フォーマットはTXTかVTTが汎用的で、NotebookLMが段落として識別しやすい形式です。
4-2 スピーカータグとタイムスタンプ
「[00:05] 鈴木:…」のように発話者名とタイムコードを埋め込むと、AIが役割を推測しやすく、会話の流れを正確に要約します。インタビューや会議録では必須の前処理です。
4-3 要約用ハイライトを手動で挿入
長時間音声は全文文字起こしだとノイズが多すぎます。重要ポイントに★マークや[KEY]を入れておくと、NotebookLMがハイライトを優先的に引用し、回答スピードが向上します。
運用を成功させるベストプラクティス
5-1 命名規則・タグ統一で検索精度アップ
「日付_案件_バージョン」「タグ:部署_ステータス_メディア種別」のようにフォーマットを統一。NotebookLMはファイル名・タグをインデックスに使うため、この一手で検索精度が2倍以上改善します。
5-2 アップロード前チェックリストの導入
OCR済みか? 字幕付きか? メタデータ入れたか? を確認するGoogleフォームを必須化。
送信後にApps Scriptで自動アップロードすると、ルール逸脱をシステムでブロックできます。
5-3 ダッシュボードでファイル品質を可視化
Data Studioで「OCR率」「字幕付与率」「タグ揺れ」を週次集計し、Slackに自動投稿。数値が下がったら担当者にアラートを飛ばし、運用ルールを継続改善します。
まとめ
PDF・動画・音声は情報量が多いぶん、正しく前処理を行えばNotebookLMの回答精度を劇的に高められます。
OCR・字幕・メタデータといった基礎整備を徹底し、命名規則とタグで検索しやすい構造を作り込むことが成功の秘訣。
アップロード前チェックリストとダッシュボード監視で品質を保ち、AIを“探さなくていいナレッジ基盤”へ育てましょう。
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